オランド仏大統領、再選目指さず 現職として異例

French president Francois Hollande
Image caption オランド大統領は、社会党の分裂を受け入れるわけにはいかないと表明

フランスのオランド大統領(62)は1日夜、来年春の大統領選で2期目を目指さないと発表した。テレビ演説で「再選を目指さないことにした」と述べた。

与党・社会党を率いてきたオランド氏は、支持率が低迷。現代フランスで現職大統領が再選を目指さないのは、これが初めて。

「今後数カ月の間、私の唯一の任務は引き続きこの国を導くことだ」とオランド氏は、選挙ではなく大統領職に専念すると表明。「私の任期中、世界と欧州とフランスはことさら厳しい挑戦に直面してきた。ことさらに厳しいこの状況で、私は国のまとまりを維持したい」と述べた。

来年4~5月の大統領選では、中道右派・共和党のフランソワ・フィヨン候補が有力視されている。

最近の世論調査では、フィヨン氏と最も互角に争うのは、極右「国民戦線」のマリーヌ・ル・ペン党首になる見通し。来年4月の第1回投票ではフィヨン氏が1位、ル・ペン氏が2位で、社会党候補が3位になるだろうとみられている。その場合、決選投票でフィヨン氏がル・ペン氏を抑えて当選するというのが、現在の見通しだ。

オランド氏はこれを念頭に、「国民戦線」台頭の脅威に警戒するよう呼びかけた。

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Image caption バルス首相(左)は、再出馬を断念した大統領の判断を称えた。写真は11月18日。

オランド氏の発表を受けて、エマニュエル・マクロン前経済相(38)は「勇気ある決断」と称賛。マクロン氏はすでに、中道無所属として大統領選に出馬する方針を発表している。

オランド氏の不出馬を受けて、来年1月から始まる社会党の候補者選びレースが本格化する。すでに出馬を表明している、マニュエル・バルス首相が有力視されている。

バルス首相はオランド氏の不出馬判断を、「為政者らしい選択」だと評価した。

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Image caption マリーヌ・ル・ペン氏

オランド氏は2012年5月に就任。近年では、パリ連続襲撃事件などイスラム過激主義者による攻撃の多発を受け、フランスでは非常事態宣言が繰り返し延長されている。

オランド氏は失業対策に注力。失業率は下がり始めたが、政策の効果が出るまでには予想より時間がかかった。

中道右派・共和党のサルコジ政権時代の混乱に対するアンチテーゼとして、安定を平静を約束してオランド氏は就任したが、改革施策がなかなか実施できず、自ら率いる社会党からの抵抗にも遭った。

今年10月には『大統領はそんなこと言うべきでない』という本の出版で、法曹界を「臆病者」の集まり、自分に敵対する左派を「馬鹿者集団」と罵っていたことなどが暴露され、その判断力への批判が高まった。

(英語記事 France presidency: Francois Hollande decides not to run again

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