【英EU離脱】単一市場アクセス維持、「多額」の対価望ましくない=英外相

ジョンソン氏

英国のデイビッド・デイビス欧州連合(EU)離脱担当相が、単一市場へのアクセスを維持するためEUへの拠出金を提案したことを受け、ボリス・ジョンソン外相は4日、「多額な」拠出金は払うべきではないと語った。

BBCのインタビュー番組「アンドリュ・マー・ショー」に出演したジョンソン外相は、拠出金は「憶測に過ぎない」としながらも、もし実際に支払う場合には、「妥当なもの」であるべきだと述べた。

単一市場離脱については、「自傷行為」になるという批判も一部にある。

自由民主党のニック・クレッグ前党首は、約5億人の消費者を擁する単一市場に残るのが「ブレグジット(英国のEU離脱)で最も経済的な混乱が少ない形」だとし、その代りに、EUからの移民に対する「緊急停止ブレーキ」が英国に与えられるべきだと述べた。

離脱の条件をめぐるEUとの交渉は、EU基本条約第50条を英国が発動させるまで公式に開始できない。テリーザ・メイ首相は来年3月末までに発動させるとしている。

デイビス担当相の発言について、さらに質問を受けたジョンソン外相は、交渉が始まる前に「詳細について論じることはしない」とし、「デイビス担当相が検討しているのは明らかだが、決定されたわけではない」と語った。

ジョンソン外相はまた、EUは英国との「パートナーシップ」を望んでいると主張し、それには一定の相互協力が伴い、例えばエラスムス交換留学制度への拠出を継続することが含まれると述べた。

しかし、それが単一市場へのアクセスのための課徴金などの支払いになってはならないと示唆し、番組の司会者アンドリュー・マーに対して、「妥当だと考えられる支払いの例を出した」と説明した。

ジョンソン外相は、「私自身は、支払いが多額であるべき理由は何もないと考えている。そして(EUから)取り返す金を、他の優先事項に使える大きな機会が生まれる思う」と語った。

政府は依然として、離脱交渉で何を目指すのか詳しく明らかにしていないが、単一市場へのアクセスを失う影響が、EU残留派が呼ぶところの「ハード・ブレグジット」にならないよう、政府に対する圧力は高まっている。

一方で離脱派は、単一市場に参加し続けるためには、離脱派が受け入れられないとしているEU市民の移動の自由や欧州司法裁判所の権限が及ぶのを認める以外に方法がないとしている。

ジョンソン外相は、「国境管理の権限を取り戻し、相当な額のお金を取り戻し、欧州法がこの国に適用されて欧州司法裁判所の指図を受けるようなことにならず、そして4点目として(中略)自由貿易協定ができるようになる」と述べた。

EUに対しては、厳しい態度で英国との交渉に臨むよう各方面から圧力がかかっている。しかしジョンソン外相は、離脱を決めた英国は罰せられるべきだという一部の考えを否定した。

「時にはかなり失礼になったり、難しい時もあるだろうが、根っこには英国への好意がすごくあるし、最良の形の合意にしたいという気持ちも根底にある」

英ITVテレビにも主演したジョンソン外相は、政府の政策とは異なる考えを示し、移民に関する政府統計に留学生は含まれるべきでないと述べた。

野党・労働党の「影の内閣」でブレグジット担当相を務めるキア・スターマー氏は、「孤立したハード・ブレグジットになるのか、協力的なブレグジットになるのか」を選ぶことになるとし、労働党は第50条の発動を止めようとはしないものの、単一市場と「一定の距離を置いた」関係になるのには反対すると語った。

自由民主党のクレッグ党首は4日、BBCの番組で、単一市場への参加維持と最終合意内容に対する国民投票の実施が保証されなければ、ブレグジットには賛成できないと述べた。


<解説>エリー・プライス政治担当編集委員

ジョンソン外相は国民投票の選挙運動で、EUから権限を取り戻すと頻繁に述べていたが、今も変わっていないことを示そうと躍起になっている。

しかし、デイビス離脱担当相とはいささか違う主張をしているように思える。デイビス氏は1日、単一市場へのアクセスを維持するためEUへの拠出金を検討すると述べた。

ジョンソン外相は、決定はされていないと語り、拠出金は交換留学制度や研究といった、より限定的なものにしたい考えのようだ。

労働党は、単一市場へのアクセスは不可欠で、いわゆる「ハード・ブレグジット」になるのか「ソフト・ブレグジット」になるのかを左右するものだとしている。


(英語記事 Boris Johnson: UK should not pay 'large sums' for EU trade access

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