シリア・アレッポで「民間人に残虐行為」 国連事務総長が警告

反政府勢力が支配する地域では医療施設が非常に限られている(12日、アレッポで) Image copyright Reuters
Image caption 反政府勢力が支配する地域では医療施設が非常に限られている(12日、アレッポで)

シリア北部の主要都市アレッポで政府軍と反政府勢力との戦闘が続くなか、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は12日、民間人に対する残虐行為が起きていると警告した。

潘事務総長は、対立する双方に対し、民間人を保護するよう訴えた。、特にシリア政府と同盟国に向けた要請だとしている。アレッポでは、反政府勢力が政府軍に敗北する瀬戸際にある。

これに先立ち、国連のシリア向け人道支援を指揮するヤン・エグランド氏はツイッターで、「(政府を支持する)勝ち誇る民兵たちによるすべての残虐行為」はシリア政府と支援国のロシアに「責任がある」と述べていた。

国連のステファン・デュジャリック報道官は文書で、「アレッポでここ何時間かの間に、女性や子どもを含む多くの民間人に対する残虐行為があったとする報道に、事務総長は危機感を募らせている」と述べた。

デュジャリック報道官は、「国連が独自に確認できた情報ではないものの、関係者には深い懸念を伝達している」とした上で、「事実関係を確認するため早急に関係者に連絡するよう、シリア担当特使に指示した」と明らかにした。

シリア政府や支援国のロシアからの公なコメントは、現時点で出ていない。

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Image caption アレッポの政府掌握地域で政府軍の進攻を祝う人々(12日)
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Image caption 反政府勢力の支配地域で戦うシリア自由軍の戦闘員(12日)
Image caption 12日時点での各勢力の支配地域(緑:政府軍、紫:反政府勢力、肌色:クルド人勢力/深緑は先月21日以降に政府が掌握した地域)

<解説>リーズ・ドゥセット国際報道チーフ特派員(ベイルート)

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Image caption 反政府勢力の支配地域のさらに奥に逃げようとする人々(12日)

最後に残った反政府勢力の支配地域で戦闘が激しくなるなか、重病者や重傷者、子どもたちなど最も弱い人々を避難させようとする必死の努力が続けられたが、全く前進していない。

12日に記者が話した支援団体の幹部は、いら立ちを隠せない様子で、要請後も長らく実現していない国連主導の500人の患者と家族に対する医療支援について、「遠い夢だ」と語った。

合意間近と思えた2つの計画があったが、数万人がすでに避難しつつある現状では停戦は必要ないとロシアが主張し、計画は先週、とん挫した。関係筋はロシアがその後、態度を変えたと話す。しかし、反政府勢力は停戦と人道支援がまず実現されるべきだと要求している。

切羽詰まった支援団体は、要求する停戦の期間を72時間からわずか3時間まで短縮した。

「戦火をくぐる医師団」と呼ばれる団体は数百人の子どもたちを避難させるよう強く訴えている。英国人の外科医、デイビッド・ノットさんは「全員を救うためには、一時的な戦闘停止がたったの60分あればいいんだ」と語った。それでさえ求め過ぎだったようだ。


(英語記事 Aleppo battle: UN chief warns of 'atrocities against civilians'

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