サンタの腕の中で5歳少年が息引き取る 米テネシー州病院で

シュミット=マッツェンさんはサンタクロースに扮するようになって6年になる Image copyright Facebook
Image caption シュミット=マッツェンさんはサンタクロースに扮するようになって6年になる

米テネシー州の病院で、末期患者の5歳少年の希望を叶えるため、男性がサンタクロースに扮して見舞いに訪れたところ、少年は男性の腕の中で息を引き取った。

サンタクロースに扮する仕事を始めて6年がたつエリック・シュミット=マッツェンさん(60)は数週間前、病院からの電話を受け、少年のベッドに駆け付けた。

少年の家族は病室の外で窓から様子を見守っていた。

シュミット=マッツェンさんが少年の母親が買っておいたプレゼントを渡し、抱きしめた後、少年は亡くなったという。「息を引き取るのを感じて、涙が出てきた私は上を見上げたんです。窓の向こうを見た時、お母さんが悲鳴を上げた」。

シュミット=マッツェンさんは到着時、あらかじめ家族に、泣き出すのなら部屋の外にいてもらいたいと頼んでいた。

「彼(少年)が最高な気分になって、嫌なことを忘れて微笑んでいられるような、ハッピーな人でなくちゃいけないから」とシュミット=マッツェンさんは語った。

「だから言ったんです。感情を抑えられないと思うなら、廊下にいてもらいましょう。私も後で廊下に出てくるから、一緒に泣きましょう、って」

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Image caption 妻のシャロンさん(写真左)も一緒に「ミセス・サンタ」に扮している

シュミット=マッツェンさんは普段は機械エンジニアで、同州ジャックスボロで自営業を営んでいる。今月6日の聖ニコラウスの日が誕生日だ。妻のシャロンさんも一緒にミセス・サンタクロースに扮している。

シュミット=マッツェンさんはこれまでに4回、サンタクロースとして末期患者のベッドを訪れたという。30~40年もサンタクロースに扮してきたという人でもそういう人は珍しいという。

「小さな男の子や女の子は、死という概念自体を理解するのが難しいですが、クリスマスは知っているし、すごく楽しいのも知っている」とシュミット=マッツェンさんは話す。

「(亡くなった)少年は、死ぬことよりもクリスマスが見れないのを心配していました。分かっているのはただ、気分が良くないということだった」

テレビ番組「パウ・パトロール」のおもちゃを受け取った少年は、シュミット=マッツェンさんに死んだらどこに行くのかと尋ねたという。シュミット=マッツェンさんは、「サンタの一番お気に入りのトナカイ」になると答え、歓迎するよ、と話したという。

体を起こしてシュミット=マッツェンさんとハグした少年の最後の質問は「サンタさん、助けてくれる?」だった。

その後間もなく、少年はシュミット=マッツェンさんの腕の中で息を引き取った。

「いまでも思い出すのはつらい」とシュミット=マッツェンさんはBBCに話した。

また同じようにサンタクロースに扮することはあるのか、との問いにシュミット=マッツェンさんは、「誰かに頼まれればしますよ。つらいけど、やります」と語った。

(英語記事 Terminally ill boy dies in Santa's arms)

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