ミャンマー少数民族ロヒンギャの扱いは「人道犯罪」=人権団体

アムネスティは、少なくとも2万7000人がバングラデシュに避難したとみている(写真は、先月26日に撮影されたバングラデシュ側にあるロヒンギャ難民キャンプ) Image copyright AFP/Getty Images
Image caption アムネスティは、少なくとも2万7000人がバングラデシュに避難したとみている(写真は、先月26日に撮影されたバングラデシュ側にあるロヒンギャ族の難民キャンプ)

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは19日、ミャンマー軍によるイスラム教徒の少数民族ロヒンギャの扱いが、「人道に対する犯罪」にあたる可能性があると警鐘を鳴らした。

アムネスティが公表した報告書は、ミャンマー軍がロヒンギャ族に対して、殺人や強姦、拷問、略奪を行っていると非難した。

ミャンマー軍は残虐行為を否定し、ロヒンギャの人々が多く住む西部ラカイン州で、テロリスト掃討のための作戦を実施していると主張している。

ミャンマー最大都市のヤンゴンでは、ロヒンギャ問題を話し合う東南アジア諸国連合(ASEAN)の非公式外相会議が19日から開かれている。ASEANが参加国の内政について公に協議するのは、きわめて珍しい。

ミャンマー軍は今年10月、国境警備隊が武装集団に襲われた事件を受けて、ラカイン州で制圧作戦を開始。以来、暴力事件の報道が相次いでいる。アムネスティによると、武装集団は主にロヒンギャの人々で構成されている。

国連関係者は先月、ミャンマーがロヒンギャ族の「民族浄化」をしていると批判。国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、ロヒンギャ族の村々が焼かれたことを示す衛星写真を公開した。

「人道的大惨事」

アムネスティは被害を受けた35人のほか、人道支援や報道活動に関わる20人から聞き取り調査をした。

アムネスティは、無差別殺人や適切な手続きを踏まない逮捕や拘束、強姦、拷問、略奪に加えて、1200戸の住宅や、学校やイスラム教の礼拝所などの建物が放火され、「人道的大惨事」が起きていると述べた。

軍の行為についてアムネスティは、「ラカイン州北部において幅広くまた組織的に行われている、ロヒンギャに対する攻撃の一部であり、そのため人道に対する犯罪にあたる可能性がある」と指摘した。

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ロヒンギャ虐殺はあったのか ミャンマー

ミャンマー政府はジャーナリストや支援団体が現地に入るのを制限している。そのため、今回の対立で民間人にどの程度の犠牲者が出ているのかは不明。

アムネスティは、今年10月以降に少なくとも2万7000人が隣国バングラデシュに避難したとみており、非常に貧しい国境地域の負担を増やしている。また、バングラデシュ政府が難民の送還に積極的に関与していると批判している。

アムネスティは、ミャンマー政府とアウン・サン・スー・チー氏に対し、人権侵害を公然と非難。暴力の停止を命令するよう求めたほか、ラカイン州へのアクセス制限の撤廃や、国連との協力による中立的な調査の開始を要求した。

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Image caption アウン・サン・スー・チー氏(今月1日、シンガポールで)

ミャンマー政府も、軍の元将軍のミン・スウェ副大統領をトップに据えた調査チームを設置した。また、コフィ・アナン前国連事務総長率いるロヒンギャ問題諮問委員会を招聘(しょうへい)し、ラカイン州での長期的な解決策の検討を要請している。

スー・チー氏は、ミャンマー政府の対応を擁護し、国際社会が政府に対する反感を高めようとしていると非難した。

仏教徒が大多数を占めるミャンマーでは、イスラム教徒のロヒンギャの人々を不法移民とみる人は多く、ラカイン州で対立が続くなかで、何十年にもわたって迫害を受けてきた。

(英語記事 Amnesty accuses Myanmar military of 'crimes against humanity'

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