ベルリンのトラック突入、ISが犯行声明 実行犯逃走か

犠牲者に哀悼の意を示すため、ベルリンのブランデンブルク門はドイツ国旗の色でライトアップされた(20日) Image copyright AP
Image caption 犠牲者に哀悼の意を示すため、ベルリンのブランデンブルク門はドイツ国旗の色でライトアップされた(20日)

ドイツ・ベルリン中心部で開かれていたクリスマス市にトラックが突入し、12人が死亡し49人が負傷した事件で、過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)が20日、犯行声明を出した。

IS系メディアの「アマク通信」は、「有志連合に参加する国の人々への攻撃の呼びかけに答え」、「戦士の1人」が実行したと述べた。

実行犯の身元は分かっておらず、声明内容の信ぴょう性は不明。

ドイツの検察当局は、事件後間もなく容疑者として拘束されていた男性を嫌疑不十分で釈放した。報道では、男性はパキスタン国籍で、名前はナベド・Bとだけ明らかにされている。

当局者らは単独か複数の実行犯が逃走している可能性を示唆した。

ドイツのトマス・デメジエール内相は、犯行声明の内容に慎重な態度を示し、「捜査は複数の線」で進められていると語った。

連邦検察のペーター・フランク氏は記者団に対し、攻撃の手口や標的の選び方からはイスラム過激主義との関連がうかがえると話した。

このほかの動き(20日)

・国連安全保障理事会は、「野蛮で臆病なテロ攻撃」だと強く非難し、「どのような動機であれ、どこであれ、誰に対してであれ、テロ行為は犯罪であり正当化はできない」と述べた。

・英警察は、ロンドンの観光名所となっている、バッキンガム宮殿前で行われる衛兵交代式の時間に、周辺の道を通行禁止にする計画を発表した。

・スペイン・マドリードで開かれたバスケットボールのレアルマドリードとブローゼ・バンベルクの試合前に、犠牲者を追悼する1分間の黙祷が行われた。

・各国のクリスマス市で警備が強化された。

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Image caption フランス北東部のランスで開かれているクリスマス市を巡回する武装警官(20日)
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Image caption 米イリノイ州シカゴのクリスマス市では、爆発物探知犬を連れた警官らが巡回した(20日)
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Image caption ドイツ・フランクフルトのクリスマス市を巡回する警官(20日)

唯一容疑者として拘束されていた男性は、現場から逃走していると周囲にみられ、一般の人が後を追った末に、公園で取り押さえられた。

トラックを元々運転していたポーランド人のルカシュ・ウルバンさんは、トラックの助手席で遺体で見つかった。銃で撃たれ刃物で刺されたもようだが、銃は見つかっていない。

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Image caption 殺害されたとみられるトラックの運転手ウルバンさん

AP通信によると、負傷者の一人で、スペイン人学生のイナキ・エラクリアさん(21)は、事件が起きた数分後にツイッターで「トラックが最初に屋台に突っ込む音が聞こえた。速いスピードで、事故というにはあまりに速く、道から逸れた」とツイートした。

エラクリアさんはその後、「考える度に痛い。この痛みを乗り越えられないと思った」とツイートした。

エラクリアさんは20日にベルリンの病院で、折れていた左足の脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)の手術を受けた。右足も足首と足の甲の骨が折れているほか、腰も負傷した。親族によると、手術後の経過は良好だという。

犠牲者の追悼

20日には、事件が起きたブライトシャイト広場の隣りにあるカイザー・ウィルヘルム記念教会に犠牲者を悼む人々が集まった。

アンゲラ・メルケル首相は、攻撃の責任を負う人物を「法が求める範囲で、できるだけ厳しく」処罰すると述べた。また、実行犯が難民申請者である可能性に懸念を示し、「ドイツでの保護と安全な場所を求めていた人物がこのような犯行に及んだとすれば、我々全員にとって特に受け入れることが難しいのは分かっている」と語った。

これまでメルケル首相は、移民に対して門戸開放政策を取ってきており、2015年には89万人がドイツで難民申請を行った。しかし、治安を脅かすとして反対する声も出ており、国内の世論は二分している。

反移民政党、ドイツのための選択肢(AfD)の共同党首フラウケ・ペトリ氏は、事件の責任はメルケル首相の移民に対する開放政策にあると批判し、「このような行為を盛んにできる環境が、過去1年半にわたって無頓着に、また組織的に輸入されてきた」と述べた。

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Image caption 現場で献花するメルケル首相(20日)
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Image caption 事件現場に集まり犠牲者を悼む人々(20日、ベルリン)
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Image caption カイザー・ウィルヘルム記念教会で行われtあ追悼式に出席したメルケル首相ら(20日、ベルリン)
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Image caption クリスマス市に突入したトラック

今回、今年7月14日に仏南部のニースで、革命記念日の花火の見物客にトラックが突っ込み86人が死亡した事件との類似性が指摘されている。ニースの事件でも、ISが犯行声明を出している。

ISやアルカイダは、自分たちの信奉者に対して、車両を使って群衆を攻撃するよう呼びかけてきた。

Image caption トラックが市に突入した際のルート(オレンジ色の線)

(英語記事 Berlin attack: So-called Islamic State claims responsibility

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