キリスト教団体の建物にワゴン車突っ込み炎上 豪キャンベラで

建物に突っ込み炎上したバン Image copyright Lyle Shelton/Twitter
Image caption 建物に突っ込み炎上したワゴン車

オーストラリアの首都キャンベラで21日夜、キリスト教のロビー団体の建物にガス缶を積んだワゴン車が突っ込み炎上した。運転していた35歳の男性は大やけどを負い、病院で手当てを受けている。

首都警察は、ワゴン車の突入には「政治的、宗教的、思想的」な動機はないとしている。

ワゴン車の突入は現地時間午後9時半(日本時間午後7時半)に起きた。突入後に起きた爆発で車は焼け、建物の事務所も損傷を受けた。

運転していた男性は歩いてキャンベラ病院に向かい、手当てを受けたという。

警察は、男性が車内でガス缶に火を付けたもようだと述べた。しかし、病院での男性からの事情聴取を踏まえ、政治的な動機ないとの判断を示した。

首都警察のマーク・ウォルタース副本部長は、「今回の出来事が地域社会への脅威だとは考えていない」と述べた。

「殺しの脅迫」

ロビー団体、オーストラリアン・クリスチャン・ロビー(ACL)のライル・シェルトン事務局長は22日、「標的を定めた攻撃」だったの考えを示した。

シェルトン氏は、「我々は今年、多くの殺しや暴力の脅迫を受けていた」と語った。

「これはオーストラリアの言論の自由に対する攻撃で、私は強い衝撃を受けている。生きているうちにこんな経験をするとは思ってもみなかった」

シェルトン氏はさらに、事務所のスタッフが当時誰もいなかったことには安堵したと語った。

ACLはどんな団体なのか

ACLは自らの活動を、公共政策にキリスト教思想を反映させようとする、8万人以上の人々の「草の根運動」だと説明している。

保守派の団体で、オーストラリアでは、同性婚や人工妊娠中絶、安楽死に反対し、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)の教育・啓蒙を学校で行うべきでないと主張していることで知られる。また、キリスト教系学校での専任牧師やインターネット検閲を支持している。

2007年の総選挙の後、オーストラリアの主要2政党の党首が、ACLが財政支援する複数の会合で演説を行った。

ACLはソーシャルメディアでも活発に発信しており、ニュースで取り上げられることも多い。一方で、影響力は保守派政治家の間のみに留まっているとの指摘もある。

一部の宗教指導者らは、ACLがすべてのキリスト教信者の考えは反映していないと批判している。

(英語記事 Australian Christian Lobby 'car bomb' not politically motivated, police say