【米政権交代】トランプ氏、新設「国家通商会議」トップに対中強硬派

トランプ氏の米大統領選での勝利は中国で高い関心を集めている Image copyright Getty Images
Image caption トランプ氏の米大統領選での勝利は中国で高い関心を集めている

ドナルド・トランプ次期米大統領は21日、ホワイトハウス内に貿易政策を担当する「国家通商会議」を新設し、トップに対中強硬派で知られるピーター・ナバロ・カリフォルニア大教授を起用すると発表した。

大統領選の期間中もトランプ氏に助言していたナバロ氏は、中国の政策を強く批判する著書「中国は世界に復讐する」「中国による死」などがある。

トランプ氏は、貿易問題を選挙運動の大きな柱に据え、中国やメキシコなどの国との貿易協定を批判。当選後には、台湾の蔡英文総統と電話で会談。米国の長年にわたる「一つの中国」政策に対する支持から逸脱する行為だとして、中国が強く反発していた。

政権移行チームは、ナバロ氏の起用は「米国の製造業を再び偉大にするという次期大統領の決意を表している」と述べた。

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Image caption ナバロ氏はカリフォルニア大学アーバイン校の経済学教授を務める

ナバロ氏は、今年8月に米紙サンフランシスコ・クロニクルに寄稿し、同氏の最初の著書が出た後にトランプ氏と知り合い、長い文通を経て、選挙運動の上級顧問に就任したと述べている。

ナバロ氏は寄稿で、「トランプ氏は、自由貿易は良いことだが公正でなくてはならない、と考えている。そうでなければ、今のような状況になるわけだ。米国の製造業の基盤が大きく損なわれ、賃金上昇は15年間にわたって停滞し、まともな賃金が得られる良い仕事を見つけられない米国人が2000万人以上いる」と述べた。

著書「中国による死」を基に、俳優マーティン・シーンさんのナレーションによるドキュメンタリー映画が制作された。ナバロ氏は映画の脚本と監督を担当した。

映画は、中国の経済成長の一方で、米製造業の雇用が失われ続けたことや、中国の産業が環境に与えた影響に焦点を当てている。映画はユーチューブで公開されている。

映画の前に添えられた動画でナバロ氏は、「アメリカやあなたの家族を守ることに貢献しよう。『メイド・イン・チャイナ』は買ってはいけない」と語っている。

しかし、多くの経済学者は、中国との貿易で攻撃的な措置を取れば、「貿易戦争」が始まる懸念があり、悪影響は双方に及ぶと指摘している。

(英語記事 Trump appoints 'Death by China' author as head of US trade council

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