シリア・アレッポ、「政府支配下に」 政府軍

アレッポ奪還を祝うシリア人(22日) Image copyright AFP
Image caption アレッポ奪還を祝うシリアの人たち(22日)

シリア軍は22日、反政府勢力の完全撤退を受けて、北部の主要都市アレッポを完全に掌握したと発表した。

シリア軍は「アレッポの治安を回復」したと声明を発表。反政府勢力にとって「壊滅的打撃」だと述べた。

「この勝利は戦略的変化および対テロ戦争の転換点となる一方で、テロ計画とテロ支援者たちにとっては壊滅的な打撃となる」と政府軍は発表した。シリア政府は通常、反政府勢力のことを「テロリスト」と呼ぶ。

政府軍はさらに、今回の勝利を機に軍は引き続き「テロを排除し、国土全域に治安と安定を復活させるため」戦い続けると表明した。

これに対して反政府勢力ヌレディン・アル・ジンキのヤセル・アル・ユセフ氏はAFP通信に対して、アレッポが政府に完全掌握されることは「大きな損失」だと表明。「革命にとっては撤退の時で、困難な転換点だ」と述べた。

赤十字国際委員会(ICRC)は、「避難を希望するすべての市民、ならびに負傷者と戦闘員は全員、避難した」と確認した。

アサド政権にとってアレッポ奪還は、2011年にシリア内戦が始まって以来の最大の勝利となる。

国連関係者によると、過去1週間の間に少なくとも3万4000人の市民と反政府勢力がアレッポ東部から脱出した。

大雪や強風に加え、避難用の車両が整備不良で故障しがちのため、脱出作業は遅延が続き、数千人規模の人が時に寒空の下で何時間も待機を余儀なくされた。

脱出手続きを監視している国連は、「ひどい混雑状態のなか、弱った状態にある人たちが何時間も待たされ、氷点下に近い気温にさらされている」と指摘している。

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アレッポ脱出 威嚇されながら包囲脱出

アレッポ東部を脱出する人たちは、市の西郊にある反政府勢力地区やイドリブ県の各地に移動している。

ロシアとトルコが交わした合意にもとづき、イドリブ県の政府支配地区にありながら反政府勢力に包囲されていたフォアとケフラヤ町の住民も、包囲下を脱出している。

赤十字のクリスタ・アームストロング広報担当は、政府側・反政府側の双方とも、避難希望者は全員脱出し、作業は完了したと述べた。

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Image caption 15日以降、3万4000人以上が避難した。写真はアレッポの西にある反政府勢力の支配地域に到着した反政府戦闘員たち。

アレッポはかつてシリア最大の都市で、アサド政権に対する反政府蜂起が2011年に始まる前は、シリアの商工業の中心だった。内戦開始以来、市街地はもっぱら2つに分断され、政府軍が西側、反政府勢力が東側を支配していた。

ロシアが昨年9月にシリア領内の空爆を開始し、イランが支援するイスラム教シーア派民兵が加勢したことなどを受けて、アサド軍は今年に入って勢力を盛り返し、今年9月初めからアレッポ東部をあらためて包囲した。

11月半ばに反政府勢力の防衛線を破ると、政府軍は速やかに進攻。今月半ばに停戦合意がまとまるころには、2.6平方キロを残して市内全域を制圧していた。

政府軍の発表に先立ち、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は、昨年9月以来、ロシア戦闘機による空爆任務は1万8800回に達したと発表した。

それによってロシア軍は「訓練キャンプ725カ所、兵器工場・作業所405カ所、テロリスト機材1500点、戦闘員3万5000人を無効化した」と国防相は説明した。

人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチなどは、ロシアとシリアの空軍がアレッポで戦争犯罪を犯したと非難。複数の人権団体は、ロシアとシリアが医療施設を意図的に攻撃し、クラスター爆弾や焼夷弾など無差別殺傷力の高い兵器を使用し、今年9~10月だけで民間人を数百人規模で殺害したと糾弾している。


内戦前と後のアレッポ

(矢印を左右に動かすとアレッポの同じ場所の2008年と2016年の様子が見比べられる)

Interactive

2016

View from the citadel across the devastated city

2008

View from the Citadel of people eating at restaurants

Image caption 12月13日現在のシリア北部の支配地域。緑が政府軍、紫が反政府勢力、レンガ色がイスラム国(IS)、藤色がクルド人勢力。

(英語記事 Aleppo battle: Syrian city 'back under government control'

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