【米政権交代】 トランプ氏、核軍拡が必要とツイート

President-elect Donald Trump in Mobile, Alabama Image copyright AP

ドナルド・トランプ次期米大統領は22日、米国が核能力を「大いに強化し拡大」すべきだとツイートした。

来年1月20日に就任するトランプ氏はツイッターで、「核兵器について世界がまともに考えるようになるまで」米国は核能力を強化する必要があると書いた。

トランプ氏のツイートから数時間後、政権移行チームの広報担当ジェイソン・ミラー氏は、ツイートの真意について「核拡散の脅威を念頭にしたもので、何としても拡散を防止しなくてはならない、特にテロ組織や不安定な独裁政権、ならずもの政権の間の拡散を防止しなくてはならないという意味」だと説明した。

ミラー氏はさらに、次期大統領が「力を通じた平和追求において、この国の抑止能力の改良・刷新は不可欠だと強調した」のだと説明した。

トランプ氏のツイートに先立ち、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領も「いかなるミサイル防衛システムも突破できるよう、戦略核の軍事能力を強化する必要がある」と発言。ロシアの今年の軍事行動を振り返るため、軍事顧問と会談していたプーチン氏はその上で、「勢力均衡の変化、そしてロシア国境付近をはじめとする世界の政治軍事状況の変化を、慎重に注視する必要がある」と補足していた。

超党派の米シンクタンク、軍備管理協会(ACA)によると、米国が現在保有する核兵器は7100発、ロシアは7300発だという。

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Image caption トランプ氏は「核兵器について世界がまともなに考えるようになるまで、米国は核能力を大いに強化し拡大しなくてはならない」とツイートした。

大統領選に向けてトランプ氏は、米国の同盟国はもはや米国に頼らず自国の国防費を拡大すべきだと発言していた。「我々はもうその負担はできない」と述べ、「どうせそうなるのだから」日本や韓国は自前で核武装する方がいいとの見解を示した。

米紙ニューヨーク・タイムズの論説委員たちとの会談で、日韓の核武装についてトランプ氏は「時間の問題に過ぎない」、「(日韓が)そのうち(核兵器を)持ち始めるか、あるいは我々が完全に手を引くかしなくては」などと述べていた。

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Image caption 軍幹部と会談するプーチン大統領

トランプ氏は選挙戦中、核拡散が世界にとって「最大の問題」だと繰り返す一方で、欧州に対する核兵器使用の可能性は排除しないとも発言していた。

対立候補のヒラリー・クリントン氏は選挙中繰り返し、トランプ氏には核戦争を回避する外交能力も気質も欠けていると非難。「ツイートひとつで挑発されてしまう人間の指を、核兵器発射コードに近づけてはならない」と繰り返していた。

トランプ氏はフロリダ州にある自身のリゾート施設で、クリスマスを過ごしているという。


<解説> 新しい時代の夜明け――ローラ・ビッカー、ワシントン

これはオバマ大統領の現在の政策からの一大転換を意味する。

トランプ氏は自分の核政策について詳細を明らかにしていないが、過去にも核軍備強化を支持するとほのめかしてきた。

複数のインタビューで、敵に対して大量破壊兵器を使用する用意があるかと問われるたびに、トランプ氏はまったくの最終手段だと注釈しつつ、いざとなったら自分がどう出るか敵が予測できない方が好ましいと発言している。

対照的にオバマ大統領は、米国はあくまでも核兵器を使わずに平和と安全を追求していくと言明してきた。

オバマ氏は核軍備を縮小する代わりに、特殊部隊の増強や精緻な戦術爆撃能力の向上を推進してきた。

しかし米国の核兵器発射コードと国防政策は、あと29日でオバマ氏の手を離れる。


(英語記事 Donald Trump: US must greatly expand nuclear capabilities

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