ロシア軍機、黒海に墜落 92人の捜索続く 

黒海で墜落したTu-154機。写真は2015年、モスクワ近くの軍飛行場で。 Image copyright Reuters
Image caption 黒海で墜落したTu-154機。写真は2015年、モスクワ近くの軍飛行場で。

乗客乗員92人を乗せてロシアからシリアへ向かっていたロシア軍のTu-154機が25日、黒海に墜落した。92人全員の生存が絶望視されるなか、ロシア当局はソチ近くで潜水士109人を含む3000人体制で「昼夜を問わず」捜索を続けている。事故機には兵士やジャーナリストのほか、ロシア軍所属の楽団「アレクサンドロフ・アンサンブル」のメンバー64人も搭乗していた。ロシア政府は26日を、全国的な服喪の日とすると発表した。

25日夜に記者会見したロシア国防省報道官のイゴール・コナシェンコフ少将は、「日没を過ぎても墜落現場の捜索は不断で続いている」と話した。強力な投光器を複数使っているという。

国防省はこれに先立ち、黒海のソチ沖約1.5キロの水深50~70メートルの場所で、機体の一部を発見したと発表。当局者によると、ソチ沖10.5平方キロの海域を集中的に捜索しており、これまでに11人の遺体が回収された。

有名な「アレクサンドロフ・アンサンブル」楽団は、シリア・ラタキア近くのフメイミム空軍基地で、駐留ロシア軍部隊慰問の新年コンサートで演奏する予定だった。

ロシア軍は昨年秋以来、シリアで反政府勢力を空爆し、アサド政権を支援してきた。

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Image caption 「アレクサンドロフ・アンサンブル」の楽団本部前に追悼の花などが手向けられた(25日)

報道陣にテロ攻撃の可能性を質問された、マクシム・ソコロフ運輸相は、墜落原因の「あらゆる可能性」を検討していると述べつつ、何かを断定するには時期尚早だと慎重姿勢を示した。

国防省によると、墜落機はモスクワを出発し、ソチのアドラー空港で給油した後、25日午前5時25分(日本時間同11時25分)にシリア・ラタキアへ向かって離陸した。

ロシア・メディアは、事故機と管制官の最後の交信とされる音声を放送。それによると、レーダーから機影が消えるまで操縦士の声は平静で、何か問題を察知していた様子はうかがえない。

国防省が公表した乗客リストによると、「アレクサンドロフ・アンサンブル」楽団の指揮者ワレリー・ハリロフ指揮者も搭乗していた。

楽団のほか、ジャーナリスト9人、兵士8人、公務員2人、乗務員8人が乗っていたほか、人権活動家としてロシア政府に表彰されているエリザベタ・グリンカ氏も乗っていた。

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シリアに向かうロシア軍機が墜落 92人死亡か
Image caption ロシアと黒海、ソチ、ラタキアの位置

アレクサンドロフ・アンサンブルとは

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Image caption モスクワで合唱を披露するアレクサンドロフ・アンサンブル(2016年3月31日)

1928年創設のアレクサンドロフ・アンサンブルは、ロシア軍の正式な合唱団。オーケストラと舞踊団も含まれる。

名称は、ソ連国歌を作曲した初代団長、アレクサンドル・ワシリェビッチ・アレクサンドロフにちなんでいる。

アレクサンドロフ・アンサンブルの音楽のサンプルはこちらで


ロシアの空を支えたツポレフ154機

60年代半ばに設計され、1972年に初就役したTu-154(ツポレフ154)型旅客機は3発ジェット旅客機で、1986年の設計刷新を経て、長年にわたりソ連とロシアの航空業を支えてきた。アエロフロートは2010年に引退させたが、現在でも各国で約50機が現役を続けている。

2010年4月にはロシア西部スモレンスクでTu-154機が墜落し、ポーランドのレフ・カチンスキ大統領を含む96人が死亡した。

2001年10月には、シベリア航空のイスラエル・テルアビブ発ノボシビリスク行きTu-154機が黒海上空で撃墜され、78人が死亡。乗客の大半はイスラエル人だった。

ウクライナ軍は関与を否定したが、演習の流れ弾が誤って当たった可能性があると後に関係者は認めている。

(英語記事 Russia plane crash: Huge search for bodies in Black Sea

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