イスラエル首相、米国大使呼びつけ抗議 安保理決議で

国連安保理決議はイスラエルに、ヨルダン川西岸と東エルサレムでの入植地建設を停止するよう求めた。写真は、建設が問題視されているラマトシュロモのイスラエル「入植地」(23日) Image copyright EPA
Image caption 国連安保理決議はイスラエルに、ヨルダン川西岸と東エルサレムでの入植地建設を停止するよう求めた。写真は、建設が問題視されているラマトシュロモのイスラエル「入植地」(23日)

ヨルダン川西岸などでのイスラエル入植地建設を非難する国連安保理決議案の採択をめぐり、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は25日、ダン・シャピロ米国大使を呼びつけて抗議した。ほとんどの外交使節が休日とするクリスマスに、大使を呼びつけるのは異例で、イスラエルがいかに事態を重視しているかがうかがえる。米国が慣例通りに拒否権を行使せず棄権したのは、非難決議の容認に等しいとイスラエルは反発している。

外相も兼務するネタニヤフ首相は、国連による「恥ずべき」行為には報復措置をとると表明。外務省に対し、非難決議に賛成しイスラエルと国交のある10カ国から、大使を召還するよう指示した。イスラエルはすでに、非難決議を共同提案したセネガルとニュージーランドから大使を召還し、セネガルおよび決議に賛成したウクライナ両国の外相によるイスラエル訪問の予定を中止した。

ネタニヤフ首相は、「特にイスラエルに敵対的な」5つの国連機関への資金拠出を中止したと表明。今後さらに、対応を重ねていくと述べた。

23日に採択された安保理決議2334号は、ヨルダン川西岸と東エルサレムにおけるイスラエルの入植地建設を非難し、停止を呼びかける内容。またイスラエルとパレスチナ双方による人権侵害や民間人への暴力行為を非難し、和平合意への努力継続を全当事者に呼びかけている。こうしたイスラエル非難決議は、安保理では米国の拒否権行使で否決されるのが長く慣例となっていたが、今回は米政府が棄権したため、可決された。イスラエル入植政策を非難する安保理決議が採択されたのは、1979年以来初めて。

決議はイスラエル入植地に「法的有効性」はなく、「国際法をはなはだしく侵害」するもので、イスラエル・パレスチナ問題の「2国解決実現に対する大きな障害」となっていると強く批判している。

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Image caption ネタニヤフ首相は、安保理決議はいずれ撤回されると述べた(24日)

この決議の成立を、ドナルド・トランプ次期米大統領の介入を求めるなどして阻止しようとしたネタニヤフ首相は、オバマ政権の動きに強く反発。「入手している情報から、(決議は)オバマ政権が立ち上げ、後ろ盾となり、文言を調整し、成立を強く要求したのだと、確信している」と首相は述べ、「友人は友人を安保理決議にかけたりしないものだ」と批判した。

首相は24日夜の記者会見で、決議撤回に向けて取り組んでいくと表明。米連邦議会や次期米政権内の友人たちが、非難決議に対する「全面戦争を戦う」と約束してくれたと述べた。

1月20日に米国大統領となるトランプ氏は、非難決議案可決の後に「国連については、1月20日以降に事態は変わる」とツイート。さらに24日には、「国連で昨日、イスラエルが大打撃を受けたせいで、和平交渉はずっと難しくなる。残念だが、それでもなんとかするから!」とツイートした

ネタニヤフ首相とオバマ大統領はこの8年間、友好関係を築くことができず、イスラエルはオバマ政権末期に米政府が今回のような動きに出るのではないかとかねてから懸念していた。

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Image caption イスラエル非難決議を採択した安保理(23日)

ヨルダン川西岸地区などのイスラエルの入植地建設は、イスラエルとパレスチナの間の和平成立を阻む最大級の障壁とみなされている。

1967年に西岸と東エルサレムを占拠して以来、イスラエルは約140カ所に入植地を建設。約50万人のイスラエル人が住んでいる。入植地は国際法上、不法占拠にあたるとされるが、イスラエルはこの判断を受け入れていない。

一方のパレスチナは、イスラエルが占拠する西岸と東エルサレムに、独立国家の樹立を希望している。

(英語記事 Israeli PM summons US ambassador amid UN vote row

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