電通社長、辞任へ 過労の社員自殺で

Dentsu headquarters Image copyright Getty Images

日本の広告最大手、電通の石井直(ただし)社長は28日、新入社員の高橋まつりさん(当時24)が昨年12月に過労自殺した問題で、同社と当時の上司(東京本社幹部)が厚生労働省東京労働局に書類送検されたことを受け、来年1月に引責辞任すると表明した。

2015年4月に電通に入社した高橋さんは、月100時間前後の残業が続き、午前5時に社員寮に戻るなどの生活を続けていたとされる。亡くなる前の11月には「本気で死んでしまいたい」などとツイート。母親には亡くなる直前、「仕事も人生もとてもつらい。今までありがとう」とメールを送っていたという。

東京の三田労働基準監督署は今年9月、過労死ラインと言われる「80時間」を超える月約105時間の残業を認め、労災認定していた。10月には東京労働局が電通を立ち入り調査し、11月には家宅捜索した。

2011年から社長を務める石井社長は、引責辞任を表明した記者会見で「社員が過重労働で亡くなったのは決してあってはならないこと」と述べた。取締役には3月の株主総会までとどまる予定という。

電通は、従業員の残業時間を減らすよう強く求められており、午後10時には本社を消灯するなどの対策に取り組んでいるが、いまだに100人以上の残業時間が月80時間以上に上ると認めた。

日本では、「karoshi(過労死)」という言葉があるほど、働き過ぎの人が死亡する事例が多い。警察庁統計によると、2015年の自殺件数で原因・動機が明らかなもののうち、「勤務問題」が原因とされる自殺者は約2159人に上った。

(英語記事 Dentsu chief resigns after overworked employee commits suicide

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