米オバマ政権、ロシア外交官35人追放 ロシアは対抗措置を約束

米政府はロシアの外交官35人に1日までに国外へ退去するよう命じた。写真はワシントンのロシア大使館前(29日) Image copyright AFP
Image caption 米政府はロシアの外交官35人に1日までに国外へ退去するよう命じた。写真はワシントンのロシア大使館前(29日)

今年11月の米大統領選にロシア政府が介入したという情報機関の報告を受けて、米国務省は29日、ロシア外交官35人と家族に国外退去を命じた。これに対してロシア政府の大統領報道官は、米国にとって「かなり不都合な」対抗措置をとる意向を表明した。

米国務省は、ワシントンの大使館とサンフランシスコの総領事館で勤務するロシア人外交官35人と家族を「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましくない人物)に指定し、72時間以内に米国を退去するよう命じた。加えて、ロシアの軍参謀本部情報総局(GRU)や連邦保安局(FSB)を含む9機関・個人への制裁措置を発表。また、ロシア情報機関が使用するニューヨークとメリーランド両州の施設を閉鎖すると発表した。

オバマ大統領は、ロシア当局が民主党本部やヒラリー・クリントン氏の選挙対策本部をハッキングして選挙に介入したという中央情報局(CIA)などの報告をもとに、ロシアへの報復措置をとるとかねてから表明していた。

これに対して、ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、「相互主義の原則に基づき同じ分野で相応の反応をすれば、米国側に相当の不都合をもたらすことになる」と述べ、対抗措置をとる用意があると表明した。

その一方でペスコフ氏は、ロシアは「性急には」行動しないと付け加え、米政権交代を念頭においていると示唆。

「(制裁措置の)判断はオバマ大統領によるものだが、3週間すればトランプ氏が国家元首になる。もちろんこの要素は何らかの形で考慮する」とペスコフ氏は述べた。

米大統領選に介入したという指摘について、ロシアは一貫して関与を否定。米国による制裁措置は「根拠に欠ける」と反発している。

Image copyright Getty Images
Image caption オバマ氏とプーチン氏の関係は今まで以上に悪化

英国のロシア大使館はツイッターで、退任を控えた米大統領は「レイム・ダック(足の悪いあひる)」と呼ばれることを念頭に写真付きの皮肉ツイートを掲載。「オバマ大統領がロシア外交官35人を追放。まるで冷戦のデジャビュ(既視感)だ。米国の人たちを含めて誰もが、このどうしようもない政権の終わりを歓迎するはず」とツイートした。

Image copyright @RussianEmbassy

ドナルド・トランプ次期米大統領は、ロシアによるハッキング疑惑を「ばかげてる」と一蹴。制裁措置の可能性について事前に質問されると、米国人は「それよりも自分の生活を大事にすべきだ」と反応した。

クリントン氏の選対委員長や民主党本部から盗み出されたメールは、選挙期間中に告発サイト「ウィキリークス」で公開された。中には民主党にとって具合の悪い内容も含まれていた。

CIAと連邦捜査局(FBI)など米情報機関は、ロシアによるハッキングはクリントン氏と民主党に打撃を与え、選挙をトランプ氏に有利に工作するためのものだったと結論している。

(英語記事 Russia vows response to diplomat expulsion from US

この話題についてさらに読む