トランプ氏、北朝鮮のICBM主張を「そうはならない」と

昨年9月に公開された大陸間弾道ミサイル(ICBM)用ロケット噴射の性能テスト写真。東倉里の西海(ソヘ)衛星発射場で。撮影時期は不明。 Image copyright Reuters
Image caption 昨年9月に公開された大陸間弾道ミサイル(ICBM)用ロケット噴射の性能テスト写真。東倉里の西海(ソヘ)衛星発射場で。撮影時期は不明。

ドナルド・トランプ次期米大統領は2日、北朝鮮が米国に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発していると主張したことについて、「そうはならない!」とツイートした。

トランプ氏はツイートで、「北朝鮮はつい先ほど、米国の一部に到達できる核兵器の開発の最終段階に入っていると発表した。そうはならない!」と書き、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の発表に反応した。

正恩氏は、北朝鮮の朝鮮中央テレビが1日正午に放送した新年のあいさつで、ICBM開発が「最終的な段階にある」と主張していた。

トランプ氏が、正恩氏の主張を否定したのか、実現を防ぐ対策を約束したのか、その意図は明らかでない。

トランプ氏はさらにその後、中国が同盟国・北朝鮮を制御していないとツイッターで批判。「中国はまったく一方的な貿易で米国から巨額の資金と資産を持ち出しているのに、北朝鮮については協力してくれない。いいね!」と書いた。

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Image caption 「北朝鮮はつい先ほど、米国の一部に到達できる核兵器の開発の最終段階に入っていると発表した。そうはならない!」とトランプ氏

正恩氏は新年のあいさつで、北朝鮮は今や「最強の敵も手出しできない東の軍事大国だ」と宣言した。

北朝鮮は昨年、2度の核実験を実施。核開発が大きく前進しているのではないかと懸念されている。しかしこれまで、核弾頭を遠くまで飛ばせる長距離ミサイルの発射実験に成功したことはない。

核開発の専門家たちは、北朝鮮が5年足らずでICBMの開発に成功すると推測している。

米スタンフォード大学のジークフリート・ヘッカー教授は昨年9月、BBCに対して、米国に到達可能な核弾頭搭載ミサイルを北朝鮮が実用できるようになるまでには、「まだかなり時間がかかる。5年から10年はかかるかもしれない」と話していた。

北朝鮮は、長距離ミサイルの大気圏再突入を可能にする耐熱素材を開発したと主張するが、西側の専門家の多くはこれを疑っている。

ヘッカー教授は、北朝鮮の核開発によって核兵器が「非国家主体」や「テロリスト」に拡散する危険が高まる問題についても懸念している。

国連は北朝鮮に核開発とミサイル発射実験の停止を求めている。


<解説> スティーブ・エバンズ、BBCソウル特派員

トランプ氏のツイートには「たら」も「れば」もない。単に「It won't happen(そうはならない)」の言葉だけだ。

その意味は不明だ。北朝鮮の技術開発が失敗に終わると思っているのか、それとも金正恩体制が倒れると思っているのか、あるいは金正恩氏に核開発計画を廃止するよう説得できると思っているのか。トランプ氏は選挙前、正恩氏と2人してハンバーガーを食べながら会談するのもいいと述べていた。

あるいはトランプ氏は、軍事行動を検討しているのかもしれない。そうだとしても、選択肢は限られているというのが、専門家たちの意見だ。

軍事専門家のひとりはBBCに対して、「バンカーバスター」爆弾も特殊部隊の強襲も、北朝鮮の核開発計画を確実に破壊できる保証はないと話した。

最もあり得る対策は、北朝鮮のコンピューターを破壊ウィルスに感染させたり、主要科学者を暗殺したりすることだが、実行は色々な意味で難しい。


(英語記事 Trump: North Korea intercontinental missile 'won't happen'

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