【米政権交代】 トランプ氏、反ロシア派は「馬鹿」 選挙介入認めるも

「一緒に世界を再び偉大にしよう!」と書かれた、モンテネグロに貼られたポスター Image copyright Reuters
Image caption 「一緒に世界を再び偉大にしよう!」と書かれた、モンテネグロに貼られたポスター

米大統領選で共和党のドナルド・トランプ氏を有利にしようとロシア政府が民主党本部をハッキングするなど、選挙に介入しようとしたという米政府の報告書公表を受けて、トランプ氏は7日、それまでの主張を翻して介入があったことは認めたものの、ロシアとの良好な関係維持に反対するのは「馬鹿」で「愚か者」だと連続ツイートした。

トランプ氏はツイッターで、「ロシアと良い関係をもつのは良いことだ。悪いことじゃない。悪いと思うのは、『馬鹿』な連中や愚か者だけだ! 我々は……」、「ただでさえ世界中にたくさんの問題を抱えているのだから、何も増やすことはない。私が大統領になったらロシアは今よりもはるかにこの国を尊敬して……」、「両国はもしかしたら、世界(原文は大文字で強調)の大事で急を要する色々な問題や課題を解決するため協力するかもしれない!」と連続して書いた。

トランプ氏は選挙中から繰り返し、ロシアとの関係改善を図りたいと述べていた。またロシアがハッキングによって大統領選に介入しようとしたという複数の米情報機関の報告については、「ばかげてる」と一蹴。米情報機関の能力を疑い批判する発言をしきりに重ねていた。また大統領や次期大統領が連日受けるのが慣例の、情報機関からの情勢説明を「必要ない」と、ほとんど受けていなかったと言われる。

しかしロシアのハッキングについて情報機関幹部からの説明を受けたトランプ氏は6日、ロシアについては言及を避けたものの、各情報機関の「人たちによる働きと公務を大いに尊敬している」と発言。ただし選挙結果には影響はなかったと強調した。7日には、「民主党本部はきちんと防御できてなかったからハッキングされた。これが話題になるのは、民主党の負けがあまりにひどかったから、連中はすごい赤面しているから。それだけだ」とツイートした。

クラッパー国家情報長官が公表した報告書によると、プーチン氏はかねてから自分に批判的で攻撃的な民主党のヒラリー・クリントン氏よりもトランプ氏が当選した方がロシアにとって望ましいと判断。これを受けてロシア政府は2016年5月までには対米サイバー攻撃作戦を開始したという。民主党本部のメールサーバーや政界関係者のメールをハッキングしたほか、軍参謀本部情報総局(GRU)の主導で「Guccifer 2.0」というペルソナを使い、ウィキリークスなどを通じて情報を漏洩させた。また「荒らし」ユーザーに報酬を支払い、クリントン氏への誹謗中傷をソーシャルメディアで大量に繰り返し投稿させたなどと報告書は書いている。

ロシア政府の目的は、米国の民主手続に対する「世間の信頼を損ない」、ヒラリー・クリントン氏を「誹謗中傷」して当選しにくいようにし、大統領となっても影響力を損なうことだったと報告書は書き、「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2016年、米大統領選を標的にした世論を左右する作戦の実施を命令したと、我々は判断する」と結論を下している。具体的にプーチン氏がどういう役割を担ったかの、詳細な証拠は提示していない。

報告書の発表を受けて米国土安全保障省は、投票端末や選挙データベースなどは国家の安全保障にとって「最重要インフラ」のひとつと認定し、サイバー攻撃からの防御態勢を強化する方針を発表した。

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Image caption トランプ氏とプーチン氏

報告書によるとプーチン氏は、実業家としてロシアとの取引に前向きな、ベルルスコーニ元伊首相やシュレーダー元独首相といった西側の政治指導者と「良好にやりとりできた経験」があり、トランプ氏もロシアとの協力を約束したことから、トランプ氏を好むようになったと説明している。

プーチン氏は過去にトランプ氏について、自分の役割を「すみやかに理解するだろう」、「賢い人」と呼んでいる。

ロシア政府は米政府の報告書についてコメントしていないが、これまでは大統領選への介入について一貫して否定している。一方で国営テレビ「チャンネル1」は、「テレビ番組やソーシャルネットワークの投稿やエンターテインメント記事の内容をもとにした」内容に過ぎないと嘲笑。ワシントン特派員は、「次期大統領の正当性を損なうこと」が報告書の目的だと論評した。

ロシアによるサイバー攻撃を批判してきたオバマ大統領は、ロシアの駐米外交官35人を追放。ロシア政府は当初、報復措置を約束したが、後にプーチン氏が「追放しない」と表明し、トランプ氏は「賢明」だと称賛している。

トランプ氏は7日、クラッパー情報長官の後任に、ダン・コーツ上院議員(インディアナ州選出)を指名。コーツ氏は以前、ロシアによるクリミア併合を強く非難していた。

(英語記事 Donald Trump blasts 'fools' who oppose good Russian ties

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