日本の捕鯨船、南極海でミンククジラ殺害と 豪政府批判

  • 2017年01月16日
Activists claim the Japanese vessel was in Australia's Antarctic waters Image copyright Sea Shepherd
Image caption 環境保護団体「シーシェパード」は、日本の捕鯨船が豪保護区でミンククジラを捕獲・殺害したと非難

反捕鯨の環境保護団体「シー・シェパード」が15日、南極海にオーストラリアが定めたクジラ保護区で日本の捕鯨船がミンククジラを殺害したと写真を公表した。これを受けて豪政府は16日、日本の「調査捕鯨」再開を厳しく批判した。

オーストラリアのジョシュ・フライデンバーグ環境相は、調査研究のためにクジラを殺害する必要はないと非難。「豪政府は、日本がこの夏、いわゆる『科学的』捕鯨を実施するために南極海に戻ったことを、豪政府は非常に残念に思っている」と述べ、「オーストラリアはあらゆる形の商業捕鯨、およびいわゆる『科学的』捕鯨に反対している」と強調した。

豪連邦裁判所は日本の捕鯨活動について、違法と判断を下している。

安倍首相は13日から15日にかけてオーストラリア・シドニーを訪れ、ターンブル首相と会談したばかり。

「シー・シェパード」は、日本鯨類研究所の捕鯨母船「日新丸」の甲板に死んだミンククジラが横たわっている様子だとする写真を公表。オーストラリアの保護区で15日に殺害したものだと非難している。

「シー・シェパード」の船「スティーブ・アーウィン」号のルブリンク船長は、「日新丸」の乗務員たちは自分たちのヘリコプターに気づくと、「慌てて」クジラの死骸をビニールシートで隠そうとしたと説明。近くにいた調査船「勇新丸」と「第二勇新丸」も、銛(もり)を隠したという。

「日本の乗務員たちが銛と、甲板のクジラの死骸を隠そうとしたのはつまり、自分たちはやってはいけないことをしていると分かっていることの表れだ」と船長は批判した。

「シー・シェパード」は、日本の南極海での捕鯨行為を現状のままでは認めないと国際司法裁判所(ICJ)が2014年に判断を示して以来、ミンククジラが殺害されるのは初めてだとしている。

Image copyright Sea Shepherd
Image caption 「シー・シェパード」は、「日新丸」の乗務員たちは自分たちのヘリコプターに気づくと「慌てて」ブルーシートで死体を隠したと主張。2014年のICJ判決以来、ミンククジラが殺害されるのは初めてだと指摘している。

<関連記事>

日本とクジラ なぜ日本は捕鯨をするのか

日本の捕鯨文化 消えゆく運命なのか

日本はなぜ捕鯨を再開するのか 論理に反してまで

日本の捕鯨船が南極海に向け出航(2015年12月)


商業捕鯨については1985年から世界的なモラトリアムが実施されているが、例外的に日本は「科学調査」のための限定的な捕鯨が認められている。

しかしICJは2014年、南極海における日本の調査捕鯨は停止すべきと判決を下した。日本は調査捕鯨を1年停止したが、2015年冬には再開を宣言し、捕鯨船が南極海へ出稿。豪英両政府や環境保護団体から非難された。

日本政府は、商業捕鯨が再開可能な程度のクジラの生息数がいると立証することが調査の目的だと説明。この調査には、クジラを殺して調べる必要があると主張している。

Image copyright Sea Shepherd
Image caption 「シー・シェパード」によると、「勇新丸」など2隻も銛を隠したという

「シー・シェパード」は5週間前から南極海をパトロールしていたという。

「シー・シェパード・オーストラリア」のジェフ・ハンセン代表は、クジラの保護に豪政府はもっと力を入れるべきだと述べた。

(英語記事 Photos show Japanese whaling off Antarctica, group says

この話題についてさらに読む