メイ英首相、「部分的」なEU離脱を否定へ 17日演説で

Theresa May Image copyright Reuters

テリーザ・メイ英首相は、17日に予定される欧州連合(EU)からの離脱交渉に関する演説で、「部分的」な離脱を否定する見通しだ。メイ首相は、EUとの「可能な限り自由」な貿易を希望しているものの、EUとの関係は「半分は中、半分は外」という形にはならない、と表明する。

演説では、EUの単一市場から脱退する可能性についても、さらに説明があるとみられる。

首相官邸は、メイ首相がEUとの離脱交渉で獲得を目指すものとして12項目を提示すると明らかにした。

英政府は交渉での目標について詳細をほとんど明らかにしていないが、離脱交渉を正式に開始するのに必要なEU条約50条の発動は、3月末までに行うとしている。

メイ首相の演説については、英EU間の貿易の将来像に示唆が得られるのか、強い関心が集まっている。特に単一市場や関税同盟との関係が注目される。

EU首脳らは、英国が単一市場へのアクセスを維持しつつも人の自由な移動は制限するといった、「いいとこ取り」は許さないと牽制(けんせい)してきた。一方で、メイ首相は移民の抑制が最も優先されると表明している。

「状況をよくわきまえた判断」

ロンドン中心部で、各国からの大使を前に行われる演説でメイ首相は、英国は「欧州のパートナーたちの最良の友人、隣人だが、欧州の国境の先まで手を差し伸べる国でもある」と述べる予定。

また、英国の離脱後に27カ国となるEU加盟国に対して、「我々は今後も、信頼できるパートナー、協力的な同盟国、近しい友であり続ける」と表明し、「皆さんの商品を買いたいし、我々の商品も売りたい。可能な限り自由な貿易をし、友好関係の継続を通じて我々全員がより安全でより安定し、より繁栄できるように、お互い協力したい」と述べる予定。

メイ首相はさらに、EUとの「新しい、対等なパートナーシップ」を要請する。「欧州連合の部分的な加盟でもないし、欧州連合の準加盟でもない。半分は中、半分は外という形ではない」。

「ほかの国がすでに享受している形態は求めない。離脱する時に加盟を部分的に残すことは求めない」

メイ首相は、国民投票で離脱を支持した人々は「状況をよくわきまえて判断した」と称え、国民投票は「国に変化をもたらす偉大な瞬間だった」と語る予定。

同首相はまた、6月の投票後、英国が「一つにまとまりつつある」とした上で、「我々は今、分断とそれに関連した言葉に終止符を打つ必要がある。離脱派、残留派、またそれに伴う侮辱の言葉だ。ブレグジットを成功させ、真にグローバルな英国を建設するべきだ」と述べる予定。

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核心的な問い

国民投票後に首相に就任したメイ氏は、離脱に向けた戦略について、より詳細を明らかにするよう、繰り返し求められてきたが、交渉での英国の立場を弱めるとして、「実況放送」はしないとしていた。

官邸は、今回示される12項目は、確実性と明快さが基本方針となっているとし、英国をより強く、より公平に、「真にグローバル」にするのが目的だと説明した。

野党・労働党の「影の内閣」でブレグジット担当相を務めるサー・キア・スターマーはBBC番組「ニューズナイト」で、政府が現在まで「ほぼ何も」詳細を明らかにしてこなかったと述べた。

スターマー氏は、メイ首相が答えるべき「核心的な問い」は、EUとの無関税貿易を英企業のために確保できるか、またメイ首相の計画がどのようなコストを伴うのかだと述べた。

国民投票で離脱を訴えた保守党のドミニク・ラーブ下院議員は、英国が単一市場と関税同盟の正式な枠組みから離れる「可能性が高い」とした上で、メイ首相がEU離脱について「前向きな主張」をすることが非常に重要だと指摘した。

(英語記事 May rejects 'partial' EU membership in Brexit speech

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