EU離脱通告には議会承認が必要=英最高裁 政府は法案提出へ

最高裁の判決文読み上げ(24日、ロンドン)
Image caption 最高裁の判決文読み上げ(24日、ロンドン)

英国の最高裁判所は24日、欧州連合(EU)からの離脱を正式に通告するEU基本条約(リスボン条約)50条の発動には議会の承認が必要との判断を下した。テリーザ・メイ首相は3月末までに離脱通告する方針を変えておらず、政府は近く議会に法案を提出する見通し。

最高裁は一方で、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの地方議会での承認は不要とした。

デイビッド・デービスEU離脱担当相は、法案提出は「数日中に」行われると述べた。

政府筋はBBCに対し、法案は26日に提出されると語った。下院では約2週間で承認される可能性があるという。

最高裁で争われたこと

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EU離脱めぐる英最高裁判決 要点は3つ

最高裁の審理で原告は、離脱をめぐって英議会の採決をとらないのは非民主的で、長く維持されてきた憲法的原則に反するとし、50条発動の帰結は、現行の英国内法に変更を迫るもので、上下院が決定すべきだと主張した。

一方、政府は、議会承認を必要としない「国王大権」を行使できるとしたほか、昨年6月の国民投票の実施を議会が大差で承認した時点で、英国民に判断を譲っていたと主張した。国民投票の結果は離脱支持が51.9%に上り、残留支持は48.1%となった。

最高裁の判断

最高裁長官のニューバーガー卿は、「最高裁はきょう、8票対3票の多数で、政府が議会による承認を得ずに50条を発動できないとの判断を下した」と述べた。ニューバーガー卿はさらに、「EU法の根拠を失わせることにより、離脱は根本的な変化をもたらす。英国の憲法概念は、そのような変化に対する議会の明確な承認を義務付けている」とした。

最高裁はまた、50条発動にはスコットランド、ウェールズ、北アイルランド各自治政府議会の承認を得るべき、との主張を全会一致で退けた。

ニューバーガー卿は、「EUとの関係は英政府の所轄」だと述べた。

英政府の反応

デービス担当相は、議会に「単刀直入な」法案を提出するとし、議員らに対して、国民投票の結果通り離脱を進めるという「強い決意」を表明した。同相はさらに、「欧州連合を英国が離脱すべきかどうかという問題ではない。判断は英国民がすでに下している」と語った。

デービス担当相は、「後戻りすることはできない。方向転換できる最後のタイミングは昨年6月23日だった」とした。

最高裁の前でジェレミー・ライト法務長官は、政府として判決は「残念」としつつも、判断に従い、執行に「必要なことすべて」を行うと述べた。

国民投票で離脱派を主導したボリス・ジョンソン外相はツイッターで、「最高裁が判断を下した。今度は議会が国民の意思に沿って行動する時だ。50条を3月末までに発動させる。我々は前に向かって進む!」とコメントした。

議会では

労働党のジェレミー・コービン党首は、「労働党は国民投票の結果と英国民の意思を尊重するし、50条発動の手続きを妨害しない」とした上で、「50条に関する法案の修正を求め、保守党がブレグジット(英国のEU離脱)を使って英国を、欧州沿岸に設置された特売場のようなタックスヘイブン(租税回避地)にしないようにする」と語った。

スコットランド国民党は、50条法案について、「真剣で内容を伴った」50項目の修正を求めるとした。その中には、メイ首相が交渉で目指すことを説明する公式文書を白書として出し、スコットランド自治政府議会など各地方議会と協議を行うことなどが含まれる。

自由民主党のティム・ファロン党首は、英政府とEUとの最終的な合意内容について議会で採決をとると公に確約されなければ、同党の議員たちは50条法案に反対すると述べた。

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Image caption 英最高裁の11人の判事

(英語記事 Brexit: Supreme Court says Parliament must give Article 50 go-ahead

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