トランプ米大統領の英公式訪問、女王を「困難な立場」に=元外務次官

バッキンガム宮殿に女王の賓客として滞在することが公式訪問に含まれる可能性もある Image copyright Getty Images
Image caption バッキンガム宮殿に女王の賓客として滞在することが公式訪問に含まれる可能性もある

テリーザ・メイ英首相がドナルド・トランプ米大統領を年内の公式訪問に国賓として招待したことで、エリザベス女王が「非常に困難な立場」に置かれていると、元外務省首脳が指摘している。

2006年から10年まで外務次官を務めたピーター・リケッツ卿は、英紙タイムズへの公開書簡で、公式訪問の招待は「拙速過ぎた」と述べた。

英政府のオンライン請願サイトでは、公式訪問の中止を求める請願書への署名がすでに150万筆を超えている。

30日には、トランプ大統領が27日に署名したイスラム教徒が多数を占める特定7カ国の人々の入国を禁止する大統領令への大規模な抗議デモが英国各地で行われた。入国禁止措置を受け、英議会は緊急審議を行った。

リケッツ卿は、任期1年目の米大統領が公式訪問に招待されるのは前例がなく、トランプ氏に「このような異例の名誉を受ける特別な資格」があるのか疑問があると指摘した。

リケッツ卿は、「彼がどんな大統領なのか分かるまで、招待するよう女王に助言するのを待つ方がずっと賢明だった。これで女王は非常に困難な立場におかれてしまった」と述べた。

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Image caption ロンドンの首相官邸の前で、トランプ米大統領の大統領令に抗議するデモが行われた

公式訪問の日程は明らかになっていないが、国賓はバッキンガム宮殿に女王の客として宿泊することが多い。

タイムズによると、バッキンガム宮殿は非公式に、女王が政治的行事に無理やり巻き込まれたような印象を与えてしまうのは反対だと、明確にしている。

首相官邸は30日、女王に代わりトランプ氏を招待することを、メイ首相は「非常に喜ばしく思っている」と述べた。

メイ首相に対しては、先週の訪米でトランプ氏と会談した際に、入国禁止措置について説明を受けていたのか明らかにするよう圧力がかかっている。

入国禁止の対象国はイラク、シリア、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、イエメンの7カ国。「イスラム教徒の締め出し」だとの批判があるが、トランプ政権は否定している。

30日に下院で議員から質問を受けたボリス・ジョンソン外相は、メイ首相とトランプ大統領の間で交わされた「非公開の会話」についてはコメントしないと述べた。

メイ首相は先週末のトルコ訪問時に、トランプ大統領による入国禁止措置を強く非難するよう求められたものの、即座に批判せず、英国内で激しい反発が沸き起こっていた。

首相官邸はその後、メイ首相は入国禁止に「同意しない」ものの、米国の入国管理は米政府の問題だとする声明を出した。

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Image caption 先週27日にホワイトハウスでトランプ大統領(写真右)と会談したメイ首相

(英語記事 Trump state visit plan 'very difficult' for Queen

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