ティラーソン新国務長官が宣誓就任 トランプ米政権

(左から)米大統領執務室で宣誓就任するティラーソン新国務長官とレンダ・セントクレア夫人、トランプ大統領とペンス副大統領(1日) Image copyright Reuters
Image caption (左から)米大統領執務室で宣誓就任するティラーソン新国務長官とレンダ・セントクレア夫人、トランプ大統領とペンス副大統領(1日)

米石油大手エクソンモービル前会長のレックス・ティラーソン氏(64)は1日、上院承認を経て、新国務長官に宣誓就任した。上院は賛成56、反対43で同氏の就任を認めた。テキサス州出身のティラーソン氏は、ロシア政府や経済界とのつながりをこれまで厳しく精査されていた。

国務長官承認に先立ち、各省長官の承認公聴会を開いていた担当委員会は、民主党のボイコットにもかかわらず、トム・プライス保健福祉長官候補、スティーブン・ムニューチン財務長官候補を承認。本会議での採決にかけられることになった。民主党や人権団体などが激しく批判していた、ジェフ・セッションズ司法長官候補についても、民主党は委員会での承認をボイコットしたが、それでも承認採決が可能になるよう、共和党側が委員会規則を変更した。

ティラーソン新国務長官は、ホワイトハウスのオーバル・オフィス(大統領執務室)で、マイク・ペンス副大統領の主導で宣誓。ドナルド・トランプ大統領は「君の一生はこの瞬間に向けての準備期間だった」と期待を示した。

新長官はこれに対して、「この大統領に仕えるなか、常にあらゆる時でも米国民の利益を代表を務めます」と答えた。

トランプ大統領はこの就任式に先立ち、デラウェア州の空軍基地を訪れ、イエメンで死亡した海軍特殊部隊兵士の遺体を出迎えていた。イエメンでは週末にかけて過激派アルカイダ強襲作戦が行われ、米兵などが死亡。トランプ政権になって初の、米兵の戦死だとされており、ホワイトハウスに戻ったトランプ氏は沈痛な面持ちだった。

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Image caption ティラーソン氏は40年以上エクソンで働いた

上院の承認公聴会でティラーソン氏は、ロシアとの関係について繰り返し問いただされた。エクソンの会長兼最高経営責任者(CEO)として同氏は、ロシア最大の国営石油会社ロスネフチとの間に数十億ドル規模の取引をまとめ、2013年にはロシア政府から「友情勲章」を与えられている。

ティラーソン氏は公聴会で、西側は確かにロシアの拡大と台頭に危機感を抱く必要があると認めたものの、プーチン露大統領は戦争犯罪人かと追究されても肯定しなかった。

ティラーソン氏の就任に反対する人たちは、ロシアとのビジネス上の利害関係を断つことはできないはずだと批判してきた。一方で、世界中で大規模な商取引をまとめてきた手腕は、米国外交のトップに望ましい新しい長所だと期待する声もある。

上院議員たちはおおむね、党派に応じて承認に賛成・反対票を入れた。反対43票は近年ではきわめて多い。オバマ前権のジョン・ケリー国務長官は賛成94、反対3で、ヒラリー・クリントン長官は賛成94、反対2で承認された。ブッシュ政権のコンドリーザ・ライス長官は85対13で承認され、コリン・パウエル長官は賛成の発声でのみ承認された。

新長官を迎える国務省では、ベテラン官僚が相次ぎ辞任したほか、特定7カ国からの入国を制限する大統領令に反発し1000人近い外交官・官僚が抗議の書簡に署名している。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相やアントニオ・グテーレス国連事務総長など各国・機関の代表が大統領令を批判しているのに加え、メキシコとの国境に壁を建設するという大統領令の結果、メキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領との首脳会談が中止になった。

こうした状況での新長官就任について、ブッシュ政権の国務省法律顧問だったジョン・ベリンジャー氏は、「マイナスからの出発だ。外国の交渉相手や国務省職員との間に信頼を築くため、努力して追いつかないとならない」と話した。

(英語記事 Trump cabinet: Rex Tillerson sworn in as top US diplomat

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