米上院、セッションズ氏の司法長官指名を承認

セッションズ氏は昨年の大統領選で早くからトランプ氏を支持していた Image copyright AFP
Image caption セッションズ氏は昨年の大統領選で早くからトランプ氏を支持していた

米上院は8日、ドナルド・トランプ大統領によるジェフ・セッションズ上院議員(共和、アラバマ州選出)の司法長官への指名を賛成52票、反対47票で承認した。

採決に先立つ上院の審議では、承認をめぐり与野党が激しく対立。野党・民主党議員らは、セッションズ氏が過去に公民権運動関係者から激しく批判されていたことなどを指摘した。

エリザベス・ウォーレン議員(民主、マサチューセッツ州選出)がセッションズ氏を批判しようとた際には、ミッチ・マコネル上院委内総務(共和)に発言を制止され、審議から排除されるという一幕もあった。ウォーレン議員は、セッション氏によるとされる過去の人種差別的言動を読み上げようとしていた。

採決での賛否はほぼ所属党によって分かれたが、ジョー・マンチン議員(ウェストバージニア州選出)が民主党でただひとり、セッションズ氏承認に賛成票を投じた。

セッションズ氏への賛成票が過半を上回ると、共和党議員らからは拍手が沸き起こった。

セッションズ氏が率いることになった米司法省は、93人の連邦検事を含む11万3000人の職員を擁する組織。

上院での承認を受け、セッションズ氏は「世界で最も偉大な言論の府で、アラバマ州民を代表することほど誇らしいことはない。十分な議論があったことをうれしく思うし、それを踏まえて、十分な自信をもって私を次の司法長官に承認してくれた人々に、感謝したい」と述べた。「私は役職の重みを十分理解している」とも強調した。

しかし、セッションズ氏はさらに、「自分と意見が合わない人々を貶めようとするのは、我々の政治にとって望ましくない」と付け加えた。

上院の審議では、1986年にセッションズ氏が連邦判事に指名された際に、セッションズ氏が黒人有権者の投票を妨害したと非難する書簡を公民権運動を率いたマーティン・ルーサー・キング牧師の故コレッタ夫人が書いたことを、ウォーレン議員ら民主党議員たちが取り上げた。

セッションズ氏の当時の指名は、白人至上主義集団「クー・クラックス・クラン(KKK)」に好意的だと取られかねない発言や人種差別的な言動が指摘され、上院委員会の承認が得られなかった。

KKKの元リーダー、デイビッド・デューク氏はツイッターで、セッションズ氏の司法長官指名承認を歓迎するコメントを投稿した。「トランプ氏によるバノン(首席戦略官)、フリン(国家安全保障担当の大統領補佐官)、セッションズ各氏の指名は、アメリカを取り戻す計画の最初の一歩だ」。

審議から排除されたウォーレン氏は、「もしセッションズ氏がほんのわずかでも、人種差別、性差別、偏見を司法省に持ち込もうとするようなことがあれば、我々全員が黙っていない」と述べた。

現在70歳のセッションズ氏は、トランプ大統領と同年齢で、昨年の大統領選でもトランプ氏を支持していた。トランプ氏は、民主党が閣僚指名の承認手続きを妨害しているとして、ツイッターを使って激しく非難していた。今回のセッションズ氏の承認を受けても、トランプ氏がこれまでに指名した15人のうち承認が得られたのは6人に留まる。

セッションズ氏はトランプ大統領の反移民政策に影響を与えたとみられており、トランプ氏やバノン首席戦略官と近しい間柄のために、ホワイトハウスと十分な距離が保てるのか懸念する声が出ている。

発足2週間余りのトランプ政権に対しては、イスラム教徒が多数を占める特定7カ国の人々に対する入国禁止令をはじめ、海軍特殊部隊によるイエメンの過激派組織に対する攻撃作戦で、隊員1人のほか、子どもを含む多くの民間人が死亡したことなどをめぐって、非難の嵐が巻き起こっている。

(英語記事 Senate confirms Trump attorney general pick Jeff Sessions

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