米連邦控訴裁、入国制限命令の執行停止を支持 政権の上訴退け

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米連邦控訴裁判所は9日、特定7カ国からの入国を制限するドナルド・トランプ大統領による命令の執行停止を命じた一審判断を支持した。サンフランシスコにある第9巡回区控訴裁判所の判事3人は、全員一致でトランプ政権の上訴を退けた。これによって、入国資格のある7カ国の人たちは引き続き、米国に入国できることになった。

控訴裁の判断に対してトランプ氏は直ちに、大文字のみの激しい調子で、「法廷で会おう。この国の安全がかかってるんだ!」とツイートした。さらに、司法による政治的な判断だと批判した。

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大統領令はイスラム教徒を差別するものであり、違憲だとしてワシントン州とミネソタ州が起こした訴えについて、控訴裁は、テロの脅威が大統領令による入国制限を正当化するという政府の主張は不十分だったと判断。「大統領命令で名指しされている国からの外国人が、米国へのテロ攻撃を実施したことがあるという証拠を、政府は何も示さなかった」と指摘した。

裁判所はさらに、移民政策の決定は大統領の専権事項だという政府の主張を退けた。

「大統領令の必要性を説明する証拠を提示することなく、政府はむしろ、我々(裁判所)は大統領令の内容をいっさい検討すべきではないという立場をとった。これに我々は反対する」と判事たちは書いた。

控訴裁は「国の安全保障と、選挙で選ばれた大統領が政策を実行できるかどうかは、市民にとって強い関心事だ。その一方で、自由に旅行ができ、家族をバラバラにされず、差別から自由でいられるかどうかも、市民にとって強い関心事だ」と指摘した上で、大統領令は憲法が保障する権利を移民から奪っていると判断を示した。

判事たちは、大統領令が合憲か違憲かについては判断を示さず、執行停止の解除の是非についてのみ決定した。

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ワシントン州のボブ・ファーガソン司法長官は、州にとって完全な勝利だと述べた。

ホワイトハウスの主張を法廷で展開した司法省は、控訴裁の「判断を精査し、選択肢を検討している」とコメントした。

大統領令に強く反発するニューヨーク市のビル・デブラジオ市長は、「アメリカで最も安全な大都市のここニューヨークでは、いつでも隣人を守る。その人がどこから来たのか、いつここに来たのかは関係ない。それが我々の価値観だ」と控訴裁判断を歓迎した。

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トランプ米大統領の入国禁止命令 法廷論争早分かり

(英語記事 Court refuses to reinstate Trump travel ban

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