米大統領補佐官、判事たちを批判 大統領権限の優越強調

スティーブン・ミラー政策担当大統領補佐官(12日) Image copyright Reuters
Image caption スティーブン・ミラー政策担当大統領補佐官(12日)

トランプ米政権のスティーブン・ミラー大統領補佐官(政策担当)は12日、複数の米テレビ番組に出演し、入国制限に関する大統領令の執行停止命令を維持した司法判断を強く非難した。

ミラー補佐官は、サンフランシスコにある第9巡回区控訴裁判所の判事3人が全員一致で、大統領命令の執行停止を命じた連邦地裁判断を支持したことについて、「司法による権力簒奪(さんだつ)」と呼び、「この問題に関する大統領権限は疑いようのない絶対的なものだ」と強調した。

フォックスニュースに出演したミラー氏は、連邦控訴裁が「権限を逸脱」したと批判。またABCニュースでは、「この国の政府三権は互いに平等だ。司法府が最高位にあるわけではない」と述べた。

特定7カ国からの入国を禁止する大統領令に対しては、14州で複数の訴訟が提訴されており、連邦地裁と控訴歳は一時的な執行停止の仮処分を命じている。

これに対してトランプ政権は、引き続き司法の場で争う可能性を示しつつも、別の新しい大統領令による入国制限実施も検討しているという。

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Image caption 入国禁止命令によって米国に入れずにいたイエメン人女性と3歳の娘が、ロサンゼルス国際空港に到着(8日)

米国の三権分立の仕組み上、裁判所は法律や大統領の行動について、合憲か違憲かの判断を下すことができる。

入国禁止の大統領令についてトランプ政権は、国家安全保障に関する政策決定機関として最も適しているのは行政府で、かつ入国禁止命令はイスラム教徒を信仰を理由に差別するものではないと主張した。

しかし控訴裁の判事3人は、テロの脅威が大統領令による入国制限を正当化するという政府の主張は不十分だったと判断。「大統領命令で名指しされている国からの外国人が、米国へのテロ攻撃を実施したことがあるという証拠を、政府は何も示さなかった」と指摘した。

大統領令が違憲で、州の住民や企業や大学に損害を与えると政権を訴えたワシントン州のボブ・ファーガソン司法長官は、ABCニュースに対して12日、現行の大統領は「不法」で、イスラム教徒差別を意図した「不適切な動機」によって作られたものだと非難した。

今後必要となれば、政府関係者を証人として喚問し、「あの大統領令の本当の動機が何だったのか明らかにするため、文書やメール」を点検する用意もあるとファーガソン氏は付け加えた。


大統領令の内容は

・イラン、イラク、シリア、スーダン、リビア、ソマリア、イエメンの国籍の人は、査証(ビザ)があっても、米国入国禁止

・あらゆる難民受け入れを一時的に停止

・出身国における宗教少数者(キリスト教徒の意味と解釈されている)の難民申請優先

・シリア人難民の受け入れ停止

・年間の難民受け入れ総数を5万人に制限

(英語記事 Trump travel ban: Policy adviser attacks US federal appeals court

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