トランプ米大統領指名の労働長官、辞退を表明

パズダー氏(写真右)はトランプ氏の指名を受けた候補で初めて就任に至らなかった(写真は昨年11月撮影) Image copyright Reuters
Image caption パズダー氏(写真右)はトランプ氏の指名を受けた候補で初めて就任に至らなかった(写真は昨年11月撮影)

ドナルド・トランプ米大統領が次期労働長官に指名していたアンドリュー・パズダー氏は15日、指名を辞退すると表明した。

パズダー氏は、過去に不法移民の家政婦を雇っていたことを明らかにしており、指名を承認する上院では、与党・共和党議員の一部の間で慎重論が出ていた。

トランプ氏の指名を受けた閣僚候補が就任に至らなかったのは、パズダー氏が初めて。

パズダー氏は、バーガー店「カールスジュニア」などを運営するCKEレストランツの最高経営責任者(CEO)。女性やCKEの従業員に関するパズダー氏の発言が、批判を集めている。

さらに、元妻との確執も問題視されていた。

元妻のリサ・フィアスティーンさんは、1990年にテレビのトーク番組「オプラ・ウィンフリー・ショー」で放送された「虐待された上流女性」と題された番組で、家庭内暴力の被害者として匿名で出演していたことが最近明らかになった。

フィアスティーンさんはパズダー氏と1987年に離婚。子どもの親権をめぐって争うなかパズダー氏による家庭内暴力を主張していたが、後に主張を取り下げた。

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Image caption 最低賃金引上げを支持する人々が今週、ハーディーズ本部の前でデモを行った

先月18日に上院委員会にあてた書簡でフィアスティーンさんは、「アンディー(パズダー氏)は虐待をしたり暴力を振るうような人ではなかったし、今も同じだ」と述べた。

しかし、パズダー氏の承認を支持しないと表明していた共和党のスーザン・コリンズ議員(メーン州選出)は、トーク番組の内容を判断材料に含めると語っていた。

パズダー氏は最低賃金引き上げや、残業・休憩時間に関する規制に反対しており、労働組合の怒りを買っていた。

CKE傘下のカールスジュニアやハーディーズなどの店員の一部は、不当に安い賃金や職場での性的嫌がらせの犠牲になっていると訴えた。

共和党のティム・スコット上院議員(サウスカロライナ州選出)は、パズダー氏の承認に慎重な態度を示していた。

同議員は、「現金での賃金支払いや不法移民(の雇用)、明らかになった米国の一部の労働者に関する発言を知って、彼の指名について深刻な懸念を持つに至った」と述べた。

米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)のリチャード・トラムカ会長は、パズダー氏が関わる産業で被雇用者は守られないだろうと主張した。トラムカ氏は、「彼が労働者を守るなんてことが、どうやってできるんだ?」と語った。

パズダー氏は、ビキニ姿のモデルがファストフードをほおばる際どいテレビコマーシャルについても、批判されている。同氏は2011年の発表文で、「コマーシャルにセクシーな美人モデルを使うことは正しい。不細工だったらバーガーは売れない」と述べていた。

しかし最もダメージが大きかったのは、不法移民の家政婦を5年間雇っていた際、税金を納めていなかったとパズダー氏が認めたことだ。同氏は指名を受けた後に未納分を納めた。

パズダー氏は指名辞退を発表した15日の文書で、「大統領と非常に能力の高い政権チームを全面的に支持する」と述べた。

(英語記事 Andy Puzder withdraws nomination for labour secretary

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