マレーシア、北朝鮮国籍の男を釈放 国外退去へ

防弾チョッキを着用して警察署を出るリ・ジョンチョル氏(3日、マレーシア・セパン) Image copyright Kyodo/AP
Image caption 防弾チョッキを着用して警察署を出るリ・ジョンチョル氏(3日、マレーシア・セパン)

北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が殺害された事件に関連して、マレーシア当局が逮捕した唯一の北朝鮮国籍の男が3日、証拠不十分で釈放された。

マレーシア当局によると、釈放されたリ・ジョンチョル氏は、労働許可証の期限が切れているため、国外退去させられる。

金正男氏は先月13日にクアラルンプール国際空港でマカオ行きの飛行機への搭乗を待っていた際、猛毒の神経剤VXを顔に塗られ、間もなく死亡した。マレーシア外務省は、VXの使用が公衆の安全を脅かしたとして「深い懸念」を表明した。

1日には、実行犯として逮捕された女2人が殺人罪で起訴された。両容疑者は、いたずらを仕掛けるテレビ番組のためだと思っていたと語っている。2人の正式な罪状認否はまだ行われていない。

マレーシア警察はこのほか、北朝鮮国籍の7人の行方を追っている。その中にはクアラルンプールの北朝鮮大使館に勤務する2等書記官が含まれている。

金正男氏殺害の責任をめぐっては、マレーシアが北朝鮮政府を直接名指ししたことはないが、北朝鮮政府が関与していたとの見方が一般的だ。

北朝鮮政府は関与を強く否定している。遺体の司法解剖の結果についても、解剖そのものに反対していたこともあり、受け入れていない。また、遺体の回収を要求している。

北朝鮮政府は死亡したのは北朝鮮国民の男性だと認めているものの、金正男氏だとは確認していない。金正男氏は偽名のパスポートを所持していた。

今回釈放となったリ・ジョンチョル氏は、マレーシアに3年間滞在していたが、ロイター通信によると、同氏の労働許可証は先月6日に期限が切れていたという。

マレーシアは2日、安全への懸念を理由に、北朝鮮との査証(ビザ)なし渡航の制度を6日から廃止すると発表した。

(英語記事 Kim Jong-nam death: Malaysia releases North Korean detainee

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