【ロンドン襲撃】犯人は英国生まれの52歳 犠牲者4人に

事件直後に手当てを受けるマスード容疑者(22日、ロンドン) Image copyright AP
Image caption 事件直後に手当てを受けるマスード容疑者(22日、ロンドン)

ロンドン中心部の英議会議事堂周辺で起きた襲撃事件で、英警察は23日、犯人は英国生まれの52歳の男だと公表した。事件の犠牲者の数は、同日夕方現在で4人。

犯行の際に警察に射殺されたハリド・マスード容疑者(52)はケント州出身で、生まれた時の名前は「エイドリアン・ラッセル・エルムス」だった。その2年後には、母親の結婚に伴い姓が「エルムス」から「アジャオ」に変わったという。複数の偽名を使い、警察に認識されていた。当局は事件当時、マスード容疑者を捜査対象にしていなかった。

犠牲者は、キース・パーマー巡査(48)、アイシャ・フレードさん、米国人旅行者のカート・コクランさん(54)と、23日夕に死亡した75歳の男性の4人。

Image caption 事件の犠牲者の方々。左からキース・パーマー巡査、カート・コクランさん、アイシャ・フレードさん。

過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)が犯行に関与したと主張している。

警察はロンドンとバーミンガムで家宅捜索を行い、女性3人と男性5人を逮捕した。8人に対しては、22日の襲撃を受けて、別のテロ攻撃を計画していた疑いがかけられている。逮捕者の概要は以下の通り――。

・39歳の女性をロンドン東部で逮捕。

・21歳の女性と23歳の男性をバーミンガムで逮捕。

・26歳の女性と26~28歳の男性3人をバーミンガムで逮捕。

・58歳の男性をバーミンガムで逮捕

ロンドン警視庁は、複数箇所で家宅捜索を続けていると明らかにした。カマーゼンシャーの1カ所、バーミンガムの3カ所、ロンドン東部の1カ所のほか、ブライトンとロンドン南東部のそれぞれ1カ所で捜索が行われているという。

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アンバー・ラッド内相は23日夕、犠牲者追悼のためロンドン中心部のトラファルガー広場に集まった人々の前で、テロリストは「勝たない」と述べた。

「きょうここに集まり、仕事に行き、日常を続けることで、私たち皆がつながっていることを示した。テロリストは私たちを倒せない。向こうを倒すのは私たちだ」

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Image caption 犠牲者を悼みトラファルガー広場に集まった人々(23日、ロンドン)

ロンドン警視庁によると、マスード容疑者が襲撃を準備しているという情報は、事前に得ていなかった。

しかしマスード容疑者が以前、重大な傷害や武器の所持、公共の秩序を乱す行為などで有罪判決を受けたことは、警察は把握していた。

同容疑者はバーミンガムがあるウェスト・ミッドランズ州に居住していたとみられる。このほか、ライやウェスト・サセックス州クロ―リー、イースト・サセックス州イーストボーンに住んでいた時期があるとみられる。イーストボーンでは2003年12月に、刃物を使った犯罪で有罪判決を受ていた。

マスード容疑者が最初に有罪判決を受けたのは、1983年11月の器物損壊罪。最も最近が、2003年12月の刃物関連の事件だった。

テロ行為で有罪となったことはこれまでなかった。

レンタカー会社エンタープライズ社は、犯行に使われた乗用車がバーミンガムのスプリング・ヒル店で借りられたものだと確認した。

BBCの取材で、マスード容疑者は自分で韓国・現代自動車のSUV(多目的スポーツ車)を借り、職業は教師だと申告していたことが明らかになった。

しかし英教育省は、マスード容疑者が教員資格を持つ職員として公立校で勤務した記録はないとしている。

マスード容疑者は一時期、英語教師を名乗っていたとみられる。

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Image caption 事件現場の空撮写真(赤点が死亡・負傷者が出た場所。黒が容疑者が警察に撃たれた場所、青がパーマー巡査が倒れていた場所)

このほかの動き(23日)

・エリザベス女王は、「怖ろしい暴力」の被害者に「お悔やみと祈り、心からの同情」を伝えたいと述べた。

・議会では、通常の業務を始める前に議員らが1分間の黙とうを行った。

・テリーザ・メイ首相は40分かけて、入院した負傷者を見舞った。

・警察は、家族や友人の安否を心配する人のために0800-056-0944/0207-158-0010の2番号を設置。事件に関連した写真や事件当時の映像は ukpoliceimageappeal.co.uk に送ることができる。

警察によると、負傷者約40人のうち、5人が依然として重体で、2人が重篤な状態にある。

負傷者の国籍は様々で、英国人12人、韓国人4人、フランス人の児童3人、ギリシャ人2人、ルーマニア人2人のほか、ドイツ、ポーランド、アイルランド人、中国、イタリア、米国のそれぞれ1人が含まれる。

ルーマニア人2人のうち1人は、事件の際にウェストミンスター橋から転落した女性だという。

(英語記事 London attack: Khalid Masood identified as killer

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