絶滅危惧種インドシナトラの繁殖、タイで確認と 

Indochinese tiger, eastern Thailand Image copyright DNP/Freeland
Image caption タイ東部のインドシナトラ

タイ東部の国立公園で、絶滅危惧種のインドシナトラの群れが発見され、繁殖が確認された。野生大型ネコ科の保護活動団体が明らかにした。

密林で生活する群れに、少なくとも6頭の子供がいることが分かったという。

密猟や生息可能な環境の減少により、世界的なインドシナトラの数は250頭未満に減っている。

野生大型ネコ科の保護団体パンセラと密猟対策団体フリーランドは、タイで密猟対策が強化されたことの成果だと歓迎している。

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Rare tiger find in national park

両団体は、タイ国立公園当局の協力を得て、公園内にカメラを設置して調査を実施した。今回の発見以前に繁殖が確認されていたインドシナトラの群れは、これまで(やはりタイの国立公園に)ひとつしかなかった。

パンセラのトラ保護活動の責任者ジョン・グッドリッチさんは、「タイ東部のトラの頭数がこれほど増えたのは、まるで奇跡だ」と喜んだ。

タイ国立公園局のソンタム・スクサワン局長は、「密猟対策のパトロールや司法当局の取り締まり強化は、トラの頭数保護に決定的な役割を果たした。トラが安全に繁殖できる環境を確保することに成功した」と述べた上で、「しかし今後も警戒と対策を続けなくてはならない。高性能の武器を持った密猟者たちは、今でも重大な脅威だ」と慎重な姿勢を示した。

関係各団体は共同声明で、100年前に10万頭いた野生のトラは、今では3900頭にまで減少してしまっていると指摘した。


<解説> 「最後のとりで」 ジョナサン・ヘッドBBC東南アジア特派員

東南アジアで最初に森林を破壊してしまった国が、タイだった。あまりに被害がひどく、1980年には材木の切りだしを禁止していたほどだ。国立公園を設けたのも東南アジアでは早かったが、国立公園でさえ当初は不法伐採と密猟で傷つけられていた。

当時の東南アジアでは、カンボジア、ラオス、ミャンマー、そしてベトナムでさえ原始林が多く残り、トラの生息数も安定していた。しかし2000年代初頭までにタイでその数は減り続け、絶滅寸前だと言われる始末だった。

さらにその後はミャンマーさえも含む周辺諸国でも、大掛かりな違法伐採やトラの密猟がひどく横行。インドシナトラはもはや、カンボジアとラオスとベトナムではすでに絶滅し、ミャンマー東部では絶滅寸前だと考えられている。ミャンマー西部にはまだ、ベンガルトラが生息している。

一方で、保護活動によってタイにわずかながら残るインドシナトラは、少しだけ回復してきた。タイの国立公園はそこそこきちんと運営されており、そのおかげもあってタイはインドシナトラの最後のとりでという予想外の役割を担うことになった。

(英語記事 New population of rare tigers found in eastern Thailand

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