シリア・アサド政権の打倒、もはや優先課題ではない=ヘイリー米国連大使

30日のヘイリー大使の発言にシリア反政府勢力は非常に驚いた Image copyright Reuters
Image caption 30日のヘイリー大使の発言にシリア反政府勢力は非常に驚いた

米国のニッキー・ヘイリー国連大使は30日、シリアのバッシャール・アサド大統領を政権の座から降ろすのは米国にとって、もはや優先課題ではないと表明した。

ヘイリー大使は記者団の前で、「アサドに対する、前政権と同じような関心は、我々は必ずしも持てない」と語った。

オバマ政権下の米国は、アサド氏が退陣すべきだとし、アサド政権と戦う反政府勢力を支援していた。

しかし、過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)がシリア、イラクの両国で勢力を伸ばして以来、米国はIS掃討の方に注ぐ力をシフトさせていた。

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Image caption ティラーソン氏はトランプ政権発足後にトルコを訪問した最も地位の高い人物だ

ヘイリー大使は、「我々の優先課題はもはや、あそこに居続けてアサドを追い出すことではない」と述べた。「我々の優先課題は、シリアの人々の状況を実際に良くするために、どうすれば成果を上げられるか、誰と協力すべきかを検討することだ」。

米国務省を担当するバーバラ・プレット=アッシャーBBC特派員は、ヘイリー氏の発言が、大っぴらには言われてこなかったものの、しばらく前から取られていた米国の政策を、かなり露骨に述べたものだと解説した。

オバマ政権の最後の年には、シリアのISとの戦いが最優先課題になっていたと、同特派員は指摘。また、ロシアが2015年以降、シリアの内戦に介入しアサド政権を支え始めたことで、反政府勢力がアサド政権を倒すのを米国が助けられる小さな可能性も、実質的に失われたという。

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Image caption 戦闘で破壊された地域を通るシリア政府軍兵士ら(30日)

30日にトルコを訪問したレックス・ティラーソン米国務長官は、アサド大統領の長期的な将来は「シリア国民が決める」と述べた。

スイス・ジュネーブで行われているシリア和平をめぐる会議に反政府勢力から派遣されたファラ・アタシ氏は、ヘイリー氏の発言を「残念」だとし、米政府の代表は「相反するメッセージ」を発していると語った。

アタシ氏は、「ティラーソン氏がきょうトルコで言ったばかりの内容と矛盾することをホワイトハウスの報道官が言うのを聞いた」と述べた。「彼らはシリアの政権移行にアサドを関与させないと言った」。

ドナルド・トランプ米大統領は、ロシアとより緊密に協力すると約束。一方ロシアは、シリア内戦で自らの軍事力を使いアサド政権を支援している。

(英語記事 Removing Assad no longer a priority - US

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