米下院情報委の委員長、ロシア疑惑調査から身を引く 自身にも疑惑

デビン・ヌネズ米下院情報委員長 Image copyright Getty Images
Image caption デビン・ヌネズ米下院情報委員長

ロシア政府が昨年の米大統領選に介入してドナルド・トランプ氏が当選するよう仕向けたかどうかを調べる米下院情報委員会の調査で、調査を主導していたデビン・ヌネズ委員長(共和党、カリフォルニア州選出)が6日、調査から身を引くと発表した。委員長自身の行動について、下院倫理委員会が調査を開始したことを受けた。疑惑調査に関連して、委員長がホワイトハウスと連携し、機密情報を不当に公表した可能性が指摘され、民主党などが委員長の公平性を厳しく非難してきた。

ロシア疑惑の調査から身を引くと発表したヌネズ委員長は、民主党の批判を「まったく事実と異なり」、「政治的動機」によるものだと反発している。

ヌネズ氏は、調査から身を引くと決めたのは、「複数の左派活動団体が、議会倫理局に苦情を申し立てたからだ」と説明。ロシア疑惑関連以外の委員長としての職務は続行するし、「事実と異なる主張が速やかに退けられるよう」倫理委員会での弁論の機会を求めた。

上下両院の情報委員会は、トランプ陣営とロシア情報機関が連携したかどうかを調べている。

下院倫理委員会は6日、「デビン・ヌネズ下院議員が機密情報を許可なく開示し、下院の規則や法律、規律その他の行動規範に違反した疑いがあると、世間で指摘されていることを、当委員会は承知している」と声明を発表した。

市民監視団体「デモクラシー21」や「ワシントンの責任と倫理を監視する市民」などの団体が、ヌネズ議員について調べるよう下院倫理委に要請していた。

民主党などは、ホワイトハウスがロシア疑惑から世間の目を逸らせられるよう、ヌネズ氏がトランプ政権に協力したと批判してきた。

ヌネズ議員は3月22日、トランプ陣営の選挙後の通信内容を複数の情報機関が「たまたま収集」していたことを知らされたと、急きょ開いた会見で公表。これを受けてトランプ大統領は、オバマ政権が自分を盗聴していたという自分の主張が裏付けられたと満足した様子を見せた。

しかしこの前の晩、ヌネズ氏が自分の側近にも知らせないまま、ホワイトハウスの敷地内に入っていたことが判明。民主党は、機密報を自分たちと共有するより先にヌネズ氏が公表したと激怒した。

民主党は、情報機関が定期的な情報傍受でトランプ陣営の通信を「たまたま収集」していたとヌネズ氏に知らせたのは、ホワイトハウスではないかと指摘。トランプ政権関係者を対象とするロシア疑惑の調査で、ヌネズ氏が客観的な役割と果せるのか疑わしいと主張した。

これに対してヌネズ氏は、自分はホワイトハウスから問題の機密情報を得たわけではないと主張している。

共和党幹部のポール・ライアン下院議長は、ヌネズ氏を信頼しているしその判断を支持すると述べた上で、倫理委の調査は情報委の調査を混乱させる恐れがあると述べた。

下院情報委のアダム・シフ筆頭委員(民主党)も、ヌネズ氏の判断を尊重すると述べた。

「これほど重大な調査を、委員会としてまとまって超党派な形で前進させる、新しいチャンスだ」とシフ委員は付け加えた。

下院情報委の調査は今後、マイク・コナウェイ議員(共和党、テキサス州選出)が主導する。

ヌネズ委員長が身を引くことで、党派対立が収束し、こう着していた調査が前進するかは不明だ。一方で、下院とは別に上院調査委が独自に進めるロシア疑惑調査は、一連の公聴会をすでに実施するなど、前進しているようにみえる。

大統領選へのロシア介入疑惑については、連邦捜査局(FBI)のコーミー長官が3月、捜査を進めていると明らかにした。

(英語記事 Nunes steps down from US election Russian hacking probe

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