アフリカ移民が「奴隷市場で売られている」=国際機関

ンビア・バンジュールの国際空港でIOMの袋を手に移民登録の列に並ぶ男性たち(4日) Image copyright Reuters
Image caption 国際移住機関(IOM)は、アフリカ移民が売り買いされていると警告。写真は、ガンビア・バンジュールの国際空港でIOMの袋を手に移民登録の列に並ぶ男性たち(4日)

国際移住機関(IOM)は11日、アフリカから欧州を目指す人たちがリビアの「奴隷市場」で売られていると警告する報告書を発表した。特殊技能をもつ人はより高値で売られるという。

IOM報告によると、密航業者や民兵組織に拘束された移民たちは、リビアの町の広場や駐車場で売られている。特にサハラ砂漠以南から欧州を目指す若者数百人が、いわゆる「奴隷市場」に巻き込まれているという。

IOMリビア事務所のオスマン・ベルベイシ代表はBBCに対して、中でも塗装やタイル張りなどの技術があると高値が付くのだと話した。

リビアは2011年に北大西洋条約機構(NATO)の支援を受けた反政府勢力によってカダフィ政権が崩壊して以来、混乱状態に陥っている。

「飢え死にさせられ」

IOM報告では、身の安全のために匿名のセネガル人男性が、リビア南部サブハの「奴隷市場」で売られた体験を話している。

この男性によると、移民約100人が人質にとられ、にわか仕立ての監獄に閉じこめられ、家族が呼びよせられた。拷問される様子を家族に聞かせるため、家族に来てくれるよう電話する際に叩かれることもあったという。

監獄の中は「恐ろしい」状況で、食べ物は限られ、家族が身代金を払えないと殺されるか、飢え死にさせられたと男性は話している。

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Image caption リビアの首都トリポリで不法移民取締当局に集められた移民たち(3月23日)

9カ月かけて身代金を工面したという別の男性は、重度の栄養失調になり、入院時の体重はわずか35キロだったという。

この男性によると、一般リビア人に買われた女性たちは性奴隷にさせられていると話す。

IOMのベルベイシ代表はBBCに、奴隷としての値段は能力によって決まると話した。

「自分も家族も身代金が払えない移民について、業者は奴隷としてできるだけ髙く売って最低限の利益を上げようとする。能力や資格次第で、値段は確実に変わる。たとえば塗装やタイル張りなど特別な技能があれば、値段は高くなる」

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Image caption リビアから12海里北の地中海で漂流する移民船(昨年10月4日)

ニジェールのIOM事務所スタッフは、逃げ出した複数の移民からリビアで行われている奴隷競売について確認したと話す。

「リビア・サブハの広場やガレージで、奴隷として売られる危険があるとみんな口を揃えた。奴隷として彼らを売るのは密航業者や、町の日雇い仕事の手配師だ。移民がありつけるのは建設現場の仕事が多い。日給を払う代わりに、別の業者に奴隷として売りつける」

ナイジェリア、ガーナ、ガンビアなどの出身者は、他の移民が閉じ込められた家や奴隷市場そのものの警備員として働かされることもあるという。

IOMは、こうした奴隷市場の出現は「リビアでただでさえ厳しい状況におかれている移民にとって非常に気がかりな、新しい動きだ」と指摘する。

Image caption 地中海を経て欧州を目指す移民の流れ。濃緑は出身国、薄緑は経由国。

今年2月には国連児童基金(ユニセフ)が「子供たちの命をかけた旅」と題して、リビアからイタリアへ渡る大勢の子供たちがどのような危険にさらされるか、報告書を発表。時に恐ろしいほど詳細に、子供たちが奴隷にされたり、暴力や性的虐待を受けている様子を報告した。

このユニセフ報告書によると、2016年には約2万6000人の子供が地中海を渡った。そのほとんどは保護者の付き添いがなく、多くが密航業者によって虐待されたという。

昨年は北アフリカから地中海を経て数万人の移民がイタリアにたどりついた。移民の多くは最大6日間をかけて酷暑のサハラ砂漠を渡る危険な旅路を経て、ようやくリビアに到着し、さらにそこから欧州を目指す船に乗り込んでいる。

(英語記事 African migrants sold in Libya 'slave markets', IOM says

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