【仏大統領選】 ル・ペン氏、国民戦線党首を退く 国全体の大統領目指すと

24日、「フランス2」テレビに出演したル・ペン氏。 Image copyright AFP/Getty
Image caption マリーヌ・ル・ペン氏は2011年以来、極右「国民戦線」を率いてきた。写真は24日、「フランス2」テレビに出演したル・ペン氏。

仏大統領選で決選投票に進むことになった極右「国民戦線(NF)」のマリーヌ・ル・ペン党首が24日、フランスのテレビに出演し、党首の座を退くと明らかにした。自分の党だけでなく国民全体の大統領となるためだという。

23日の第1回投票では、中道派のエマニュエル・マクロン前経済相が1位、ル・ペン氏が2位となった。各種世論調査は、マクロン氏の勝利を予想しているが、ル・ペン氏は「フランス2」テレビのインタビューで「私たちが勝てるし、私たちが勝つ」と宣言した。

ル・ペン氏は、フランスが「決定的な瞬間」に差し掛かっていると述べ、共和国の大統領はすべてのフランス人をひとつにまとめる存在でなくてはならないという「重大な確信」から、党首辞任を決めたと説明。「そのため今晩の私はもはや国民戦線の党首ではなく、フランス大統領候補です」とル・ペン氏は強調した。

一方で、ル・ペン氏の表現は、党首辞任は一時的なものだとうかがわせた。

パリで取材するBBCのヒュー・スコフィールド記者は、党首辞任は儀礼的なジェスチャーで、党よりも国全体を重視しているのだと示すことで、第1回投票で敗退した共和党のフランソワ・フィヨン元首相など他候補の支持者を取り込もうというのが狙いだと解説する。

ル・ペン氏は2011年1月に、父ジャン=マリー・ル・ペン氏から党首の座を受け継いだ。

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*Polling results up to this date show how people said they would vote on 7 May, if Macron and Le Pen reached the second round

<仏大統領選 候補者の支持率推移>

ル・ペン氏が率いる国民戦線は、欧州連合(EU)に否定的で、移民受け入れに反対している。父・ジャン=マリー・ル・ペンが結党した当初の、強い極右姿勢をやわらげることで、2015年地方選での躍進を達成した。

一方で、ル・ペン氏はフランスとEUの関係見直しを呼びかけ、国民投票の後に交渉を開始するべきだと主張している。さらに、移民受け入れを大幅に削減し、「過激主義」モスク(イスラム教礼拝所)を閉鎖するよう訴えている。

国民戦線の主張は次の通り――

  • 新しいEUについてEU本部と交渉した後、離脱の是非を問う国民投票を実施
  • 違法移民を「自動的」に強制退去させ、ただちに全移民の受け入れを全停止した後、年間受け入れを1万人に制限
  • 「過激主義」モスクを閉鎖
  • 公的住宅の提供でフランス国民を優先
  • 定年退職を60歳に固定
  • 週35時間勤務を保障

敗退候補はマクロン氏支持

決選投票ではマクロン氏が有利だというのが大方の見方で、敗退したフィヨン氏も、与党・社会党候補のブノワ・アモン氏も、マクロン氏に投票するよう支持者に呼びかけた。

フランソワ・オランド大統領も、極右は欧州に亀裂を走らせ、「フランスを深刻に分断」してしまうと警告。「このようなリスクを前にした今、私はエマニュエル・マクロンに投票する」と言明した。

かつて自分の下で経済相として務めたマクロン氏は、「このような重大な時、欧州と世界とフランスにとって深刻なこの時、フランス国民をひとつに団結させる価値観を守ってくれる」とオランド氏は強調した。

投資銀行出身で39歳のマクロン氏は、オランド大統領のもとで経済相を務めた後、政権を離れて新党を立ち上げた。議員経験はなく、勝てばフランス最年少の大統領となる。

マクロン氏の公約は次の通り――

  • 公共部門の職を12万人分削減
  • 財政赤字削減
  • 職業訓練と再生可能エネルギー移転のため500億ユーロ(約6兆円)の公共投資を実施
  • 法人税を33%から25%に削減
  • 週35時間勤務の労働条件は企業ごとに交渉可能に
  • 年金制度の統一
  • EUとユーロ圏との連携を強化
  • 欧州の産業保護のため関税引き上げ
  • 国境警備の一体化

(英語記事 France elections: Le Pen steps aside as National Front leader

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