中国・習主席、温暖化対策のパリ協定擁護を表明

パリ協定は温暖化ガスの排出削減を目指している Image copyright Reuters
Image caption パリ協定は温暖化ガスの排出削減を目指している

中国の習近平国家主席は9日、フランスのエマニュエル・マクロン次期大統領との電話会談で地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」を擁護すると表明した。中国外務省が明らかにした。

米国では、ドナルド・トランプ大統領がパリ協定からの離脱を検討している。昨年の大統領選では協定離脱を公約としていた。

温暖化問題の専門家らは、米国が離脱すれば協定そのものが大混乱に陥ると懸念している。

9日に予定されていた、ホワイトハウスでのパリ協定を協議する会合は延期が決まった。延期は2度目。新たな日程は設定されていない。報道によると、政権幹部の間で意見の相違があるもよう。

中国外務省の発表文によると、習主席はマクロン氏との電話会談で、中国とフランスが「パリ協定を含む世界的な統治上の成果を守るべきだ」と述べた。

バラク・オバマ前米大統領の政権下で、米国と中国は気候変動に関する共同声明を複数出している。パリ協定に両国がそろって署名すると表明した声明さえある。世界で最も温暖化ガスの排出量が多いのが米国と中国だ。

マクロン氏は、トランプ大統領から7日の大統領選勝利への祝意を伝える電話を受けた際、パリ協定を擁護する考えを表明している。

オバマ前大統領は9日、イタリア北部のミラノで開かれた会議で、米国と中国は気候変動対策で「指導力を発揮」しなくてはならないと述べた。

オバマ氏は、「民間セクターが既に未来はクリーンエネルギーにあると考えているのは良いことだ」と語った。「こういうことはエネルギー業界では今や前提になっている。(米国の)現政権内の議論のせいで物事が進む速度が落ちるかもしれないが、私は確信している」

ドイツ・ボンでは、8日から各国政府の担当者が集まり、パリ協定の実施に向けたルール作りを話し合う作業部会が開かれている。

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Image caption 化石燃料への長年の依存が中国の大気汚染問題の原因にもなっている

200カ国近くが署名したパリ協定では、世界の平均気温の上昇を産業革命より前に比べて2度以内に抑えるのを目標としている。

協定はさらに、化石燃料に依存する各国経済の転換をうたっている。化石燃料の使用による排出ガスが温暖化を進め、洪水や干ばつ、海の水位上昇などをまねくためだ。

トランプ大統領は以前、人間の活動が気候変動の原因になっているという証拠はないとの考えを述べていた。同大統領は、採掘の促進や規制緩和を主張しているほか、カナダから米国に原油を送る「キーストーンXLパイプライン」の建設を促進する大統領令に署名している。

(英語記事 Climate change: China vows to defend Paris agreement

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