米上院委員会、フリン前大統領補佐官に書類提出の召喚状

コーミー氏の解任に抗議する人々がホワイトハウス前に集まった(10日) Image copyright Getty Images
Image caption コーミー氏の解任に抗議する人々がホワイトハウス前に集まった(10日)

ロシアが昨年の米大統領選に介入した疑惑を調査する米上院情報委員会は10日、ドナルド・トランプ大統領の国家安全保障担当補佐官だったマイケル・フリン氏に関連書類の提出を求める召喚状を出した。

同委員会は異例の対応を行った理由について、フリン氏が上院の調査への自主的な協力を拒んでいるためだと説明した。

フリン氏はトランプ政権発足前に民間人の立場でロシアのキスリャク駐米大使と接触し、対ロ制裁の解除を協議したが、この事実をマイク・ペンス副大統領など政権幹部に正確に伝えていなかったことから、今年2月に補佐官の職を事実上解任されている。

情報委員会は、フリン氏に調査に関連する書類の提出を先月28日に求めたものの、同氏が拒否したと述べた。

ロシアが昨年の米大統領選でトランプ氏を勝たせようと介入し、トランプ陣営関係者とロシア政府が連絡を取っていたとされる疑惑をめぐって上下院それぞれの情報委員会や連邦捜査局(FBI)がロシアが調べを進めるなかで、フリン氏とロシアとのつながりが焦点のひとつになっている。

ワシントンで取材するBBCのローラ・ビッカー記者は、上院議員らが召喚状という珍しい手段に訴えたことは、委員会が調査を継続する意思を明確に示したものだと指摘した。

一方、9日のドナルド・トランプ大統領によるジェイムズ・コーミーFBI長官の解任をめぐる余波は10日も続いた。

ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は、トランプ大統領が今年1月の政権発足時からコーミー氏の解任を検討していたと語った。

ハッカビー・サンダース報道官は、コーミー氏に対する「信頼の低下」が昨年から始まっていたと述べた。報道官はさらに、コーミー氏が司法省内の「指揮系統を迂回(うかい)」し、「atrocities(とんでもないこと、残虐行為)」を行っていたと述べた。

政権は、コーミー氏が9日に解任されたのは、ヒラリー・クリントン元国務長官の電子メールの扱いをめぐるFBI捜査の対応が原因だとする説明を変えていない。

しかし米メディアは、コーミー氏が司法省にロシア介入の疑惑の捜査のためのさらなる人員投入などを求めていたと報じた。

米上院情報委員会はコーミー氏に対し、委員会で来週証言するよう求めている。

大統領選でトランプ陣営がロシア政府と結託していたとの疑惑を捜査するため特別検察官の任命を求める声があるものの、ホワイトハウスはそれを拒否している。

ハッカビー・サンダース報道官は特別検察官について、「必要ないと思う」と述べ、「誰よりも私たちがことの結着と完結を望んでいる」と語った。

コーミー氏は退任にあたり職員にあてた文書で、「大統領はFBI長官をいかなる理由でも、あるいは理由が全くなかったとしても、解任できる。それが私の長年の信条だ」と述べた。「(解任の)決定やその実行方法について、時間を費やしてかまけるつもりはない」。

前長官は「皆さんと一緒に仕事をするのは、自分がこれまで生きてきたなかでも大きい喜びのひとつだった。その贈り物に感謝する」と結んだ。

ロシア疑惑の捜査は?

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Image caption アイスホッケーの選手の格好をしたロシアのウラジーミル・プーチン大統領

政権を批判する人々はコーミー氏が解任されたのは、大統領選でのトランプ陣営とロシアとのつながりを捜査を指揮していたからだと主張している。

民主党のダイアン・ファインスタイン上院議員(カリフォルニア州選出)とリチャード・ダービン上院議員(イリノイ州選出)は米メディア各社に対し、コーミー氏が人員増を中心とした捜査活動の増強を司法長官代理に求めていたと語った。

司法省のサラ・イスガー・フローレーズ報道官は、メディア報道を「完全な虚偽」と述べ否定した。

民主、共和両党の議員らは上下院の情報委員会がロシアをめぐる疑惑について調査を継続すると表明している。

共和党のリンジー・グレアム上院議員(サウスカロライナ州選出)は、もしトランプ氏がコーミー氏の解任が捜査を停止させると考えているのであれば「大きな過ちを犯している」と語った。

トランプ氏はどう反応?

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Image caption キッシンジャー氏(写真左)と面会したトランプ大統領(10日、ホワイトハウス)

トランプ氏は10日、リチャード・ニクソン大統領時代に国務長官を務めたヘンリー・キッシンジャー氏をホワイトハウスに招き、大勢を驚かせたが、その場でも、コーミー氏の解任について、「ちゃんとした仕事をしてなかったからだ」と語り、自身の決定を弁護した。

トランプ氏はキッシンジャー氏との面会に先立ち、ホワイトハウスでロシアのセルゲイ・ラブロフ外相とセルゲイ・キスリャク駐米大使と会談した。トランプ氏が大統領に就任してからロシア政府の高官と会談するのは今回が初めて。

トランプ氏はツイッターで、「民主党はコーミー長官について何カ月も何カ月も文句を言い続けてきた。解任されたとなると今度は悲しいふりをしている。いんちきの偽善者だ!」と書いた。

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Image caption ホワイトハウスでトランプ氏と談笑するロシアのラブロフ外相(写真左)とキスリャク駐米大使(同右)

(英語記事 Trump 'considered firing Comey since taking office'

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