ムラー元FBI長官、米大統領選ロシア介入疑惑の捜査指揮へ

ロバート・ムラー氏 Image copyright Reuters
Image caption ロバート・ムラー氏は2001年から2013年にかけてFBI長官を務めた

2016年米大統領選にロシア政府が介入した疑惑の捜査を指揮するため、ロバート・ムラー元米連邦捜査局(FBI)長官が特別検察官に任命された。ロッド・ローゼンスタイン副司法長官が17日、明らかにした。FBI長官として捜査を指揮していたジェイムズ・コーミー氏を、ドナルド・トランプ大統領が解任して以来、特別検察官の任命を求める声が高まっていた。

ローゼンスタイン副司法長官は、「国民の利益のためにも、この捜査の指揮は、通常の指揮系統から一定の独立性を保つ人物の権限のもとに託す必要がある」と説明した。

FBIと上下両院情報委員会は、大統領選でトランプ氏を有利にするため、ロシア当局とトランプ陣営が結託していたのではないかという疑惑を調べている

ムラー元長官の任命発表から約1時間後、トランプ氏は結託などなかったという結論に至るはずだと予測した。

「徹底的な捜査をすれば、すでに分かっていることが確認される。私の選挙戦は、いかなる外国の団体とも何も結託などしていない」

与野党幹部たちは、2001年から2013年にかけてFBI長官を務めたムラー氏(72)の任命を歓迎。

民主党のチャック・シューマー上院院内総務は、ムラー氏が「この任務にまさにぴったりだ」と評価した。

下院監視・政府改革委員会の委員長を務めるジェイソン・チェイフェッツ議員(共和党)も、ムラー氏の「経歴は非の打ちどころがない」と称えた。

ムラー氏はジョージ・W・ブッシュ元大統領とバラク・オバマ前大統領の下でFBI長官を務めた。FBI長官を48年間務めたフーバー元長官に次ぐ、長い任期だった。

現在は民間の法律事務所に所属するムラー氏は、利益相反の可能性を回避するため、近く法律事務所を辞職する見通し。


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<解説> 事態が一気に進展――アンソニー・ザーチャー、BBCニュース(ワシントン)

特別法律顧問(訳注:特別検察官に相当)の任命を発表するにあたり、ローゼンスタイン氏はFBIのロシア疑惑捜査にまつわる「異例な状況」に言及した。実に控えめな婉曲表現だ。

状況は異例どころか、まったく前例がない。発足からこれほどあっという間に、これほど満身創痍になった政権は、この国でかつてなかった。米大統領選に外国がこれほど深刻に介入したなどと、これほど重大な糾弾もかつてなかった。

とは言うものの、ドナルド・トランプ氏のような大統領もかつてなかったのだ。

ロシア疑惑の物語は新しい局面、より深刻な局面に突入する。ワシントンにおけるロバート・ムラー氏の評判はずば抜けている。ブッシュ政権では、当時の副司法長官だったコーミー氏とも協力し合っていた。

政局がいかに緊迫するものかも理解しているし、権力の回廊を渡り歩く術も心得ている。

捜査指揮にあたって幅広い権限を手にするし、必要となれば刑事訴追する権限も潤沢にある。

確かにムラー氏は組織上は司法省に属することになり、つまり究極的には大統領の配下になるわけだが、ムラー氏自身の立場や権威をもってすれば、大統領に恫喝されて言いなりになるとは考えにくい。

独立検察官による捜査はしばしば、独自の道を進み、予想外の結論に至ることもある。

ムラー氏の参加によって、事態は一気に深刻なものとなった。


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(英語記事 Trump election: Former FBI boss to lead Russia inquiry

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