トランプ陣営のロシア疑惑捜査「十分根拠ある」=前CIA長官

Former CIA Director John Brennan is sworn in Image copyright EPA

米中央情報局(CIA)のジョン・ブレナン前長官は23日、2016年の大統領選でドナルド・トランプ米大統領の陣営がロシア情報当局と結託していたという疑惑について、捜査するだけの根拠が十分あると述べた。下院情報委員会の公聴会で証言した。

ブレナン前長官は、「トランプ陣営に関わる複数の米国人」とロシア政府関係者が接触していたことを示す機密情報の存在を承知していると、下院情報委で明らかにした。

前長官は、ロシアが昨年の大統領選に「あからさまに介入」し、「非常に強引だった」と述べた。その一方で、トランプ陣営がロシア政府と共謀していたかどうかは知らないと認めた。

今年1月に退任したブレナン氏は、「ロシア政府関係者、そしてトランプ陣営に関わる複数の米国人との間の、接触ややりとりを示す情報や機密情報に遭遇したし、その存在を承知している」、「そうした接触を私は懸念していた。(トランプ陣営関係者を)買収しようとロシア側が画策していたのは知られていたので」などと証言した。

「そうした(トランプ陣営の)人々の協力を、ロシアが得られたのかどうか、私は疑問を持つようになった」とブレナン氏は重ねた。

前長官はさらに、自分の退任時にはロシアが大統領選に与えた影響について疑問は多く残っていたため、FBIの捜査は「もちろん根拠が十分あるし、こうした問題について調べる必要がある」と強調した。

トランプ大統領はこれまでロシア疑惑捜査について「納税者が払うジェスチャーゲームだ」と嘲笑してきたが、ブレナン氏の証言はこれと反対の内容。

一方でホワイトハウスは、ブレナン氏の証言は「我々がかねてから主張してきたことの裏付けだ」、「ロシアとトランプ陣営が結託していた証拠は、いまだにない」と声明を発表した。

昨年の大統領選でロシアがトランプ氏に有利になるよう介入し、さらにトランプ陣営がロシアに協力したかについては、下院情報委のほかに上院情報委と連邦捜査局(FBI)が捜査を進めている。

Image copyright EPA
Image caption ブレナン前CIA長官

下院情報委でブレナン氏はさらに、昨年8月にCIA長官として、ロシア連邦保安庁(FSB)のアレクサンドル・ボルトニコフ長官と電話で話をした際、選挙介入を控えるよう警告したと証言。ボルトニコフ長官には、大統領選に介入しようとすれば、米ロ関係改善は当面不可能になると伝えたという。

ブレナン氏によると、ボルトニコフ長官は介入の事実を2度にわたり否定し、ウラジーミル・プーチン大統領にも話の内容を伝えると約束した。

ブレナン氏は今年1月、CIA長官としてFBIや国家情報局と共に、ロシア政府が選挙結果を左右しようとしたという報告書を発表しているトランプ氏はその数日後に、ロシアが自分について問題情報を得ているという情報を情報当局がマスコミに流した、まるでナチス・ドイツのような手口だ――と非難し、情報機関との関係を悪化させた。

ブレナン氏は当時、トランプ氏の言い分に「とんでもない話だ」と反発していた。

Image copyright Getty Images
Image caption 上院情報委のバー委員長(左)とワーナー副委員長は、ロシア疑惑をめぐり解任されたマイク・フリン前大統領補佐官を引き続き証人喚問する方針

ロシア疑惑については22日付の米紙ワシントン・ポストが、ジェイムズ・コーミー前FBI長官が捜査していると議会証言した後、トランプ氏が複数の情報機関トップに「結託はない」と公言するよう求めていたと報道。これについて上院軍事委員会で質問されたダン・コーツ国家情報長官は、報道内容についてコメントを拒否した。

ワシントン・ポスト紙は、コーツ長官と、国家安全保障局(NSA)のマイク・ロジャーズ長官が、大統領の要請を断ったと伝えている。

一方で、上院情報委員会は、ロシア大使との接触をめぐり副大統領など政権幹部に虚偽報告をしていたため解任されたマイク・フリン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に対して、所有する事業について資料提出を求めていく方針を明らかにした。

23日にはさらに、下院金融委員会の民主党議員たちがスティーブン・ムニューチン財務長官に対して、「トランプ大統領のロシアとの商取引について事実関係に光を照らすような(略)あらゆる財務記録」の公表を求める書簡を送った。金融委員会の便せんに書かれたこの書簡が送付されるには、委員会の共和党幹部たちの承認が必要だった。

(英語記事 Ex-CIA chief Brennan says Trump-Russia inquiry 'well-founded'

この話題についてさらに読む