米政府、クシュナー氏を擁護 ロシアと「秘密ルート」要求報道に

ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問(中央)、ドナルド・トランプ米大統領(手前左)、ウィルバー・ロス商務長官(手前右) Image copyright Reuters
Image caption ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問(中央)、ドナルド・トランプ米大統領(手前左)、ウィルバー・ロス商務長官(手前右)

ドナルド・トランプ米大統領は28日、娘婿で上級顧問のジャレッド・クシュナー氏(36)について、「良い人間だ」と擁護した。クシュナー氏が昨年12月にロシア大使に向かって、ロシア政府と秘密の連絡ルートを要求したという複数報道を受けてのもの。

28日付の米紙ニューヨーク・タイムズに対してトランプ大統領は、大統領はニューヨーク・タイムズへのコメントでは、「ジャレッドは国のために素晴らしい働きをしている。完全に信頼している。ほとんど全員から尊敬されているし、この国が何十億ドルも節約できる事業に関わっている。何より大事なこととして、彼はとても良い人間だ」と、クシュナー氏を擁護した。ただし、同紙や米紙ワシントン・ポストによるクシュナー氏に関する報道には、直接コメントしなかった。

トランプ氏は、28日にホワイトハウスで弁護団と協議したもよう。

ワシントン・ポストは26日、クシュナー氏が昨年12月初めにロシアのセルゲイ・キスリャク駐米大使に対して、ロシア政府との協議内容を傍受されないよう秘密の会話ルートが望ましく、そのために米国内のロシア公館にある通信施設を使いたいと持ちかけたと伝えた。同紙は、クシュナー氏の提案にはキスリャク大使も驚いていたと書いた。ニューヨークのトランプ・タワーでのこの会談には、後に大統領補佐官(国家安全保障問題担当)となるものの2月初めに解任されたマイケル・フリン氏も同席していたと同紙は報じている。

ニューヨーク・タイムズも同日、続いて報道した。政権発足前のやりとりのため、当時のクシュナー氏は民間人だったことになる。

フリン氏は政権発足前にキスリャク大使を複数回にわたり会談し、対ロ制裁解除などを協議したたことを、マイク・ペンス副大統領ら政権幹部に正確に報告しなかったとして解任された。米国では民間人による外交行為は違法。このフリン氏に関する米連邦捜査局(FBI)の捜査について、トランプ大統領が当時のジム・コーミーFBI長官に捜査打ち切りを要請したのかどうかが、米報道によって注目されている。

クシュナー氏については、ロシア当局がトランプ陣営に有利なように昨年の米大統領選に介入したかどうかの捜査の一環として、FBIが事情聴取を検討していると報道されている。

クシュナー氏は、トランプ氏の長女イバンカさんの夫。

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Image caption クシュナー氏とイバンカ・トランプさん夫妻

大統領のコメントに先駆けて、政権幹部は米2大主要紙の報道に対して、肯定も否定もしないまま、重要なことではないとする反応を重ねた。

ジョン・ケリー国土安全保障長官は28日にABCニュースに対して、外国政府との間に非公式の連絡ルートを設けるのは「普通のこと」で、「特に問題はない」と述べた。

「どういう形であれ人と会話するのは、特にそれが我々にことさら友好的でない組織との会話は、良いことだ。そしてその会話内容が政府に還元されて、政府内で共有されるのは良いことだ」と長官は話した。

H.R.マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も一般論として、「複数の国との間に非公式の連絡ルートがある」と報道陣に述べた。イタリア・タオルミーナで開かれた主要7カ国首脳会議に合わせて現地で記者会見したマクマスター補佐官は、クシュナー氏に関する報道には直接言及しなかったものの、「非公式ルートがあれば目立たずに連絡がとれる。特に気にすることではない」と述べた。

中東と欧州の歴訪を終えたトランプ氏は帰国後間もなく、「ホワイトハウスから漏れるリークの多くは、#偽ニュースメディアがでっちあげた嘘だというのが僕の意見だ」とツイートした。

「偽ニュースメディアの記事で『消息筋によると』とだけ書いてあって、名前がない時は、消息筋などいなくて偽ニュース記者たちのでっちあげの可能性が高い。#偽ニュースこそが敵だ!」

(英語記事 Jared Kushner defended by Trump amid 'secret Russia line' questions

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