「湾岸諸国は団結を」 トランプ米大統領、サウジのサルマン国王に電話

窓に映ったカタール航空機 Image copyright AFP

カタールが中東地域のテロを支援しているとして隣国サウジアラビアなど6カ国が国交を断絶したことをめぐり、ドナルド・トランプ米大統領は6日、サルマン・サウジ国王に電話をかけ、ペルシャ湾岸諸国が団結することが重要だと呼びかけた。

米政府高官はロイター通信に対し、大統領が「過激思想やテロへの資金援助活動と闘うために、地域の団結が必要だと伝えた」と述べた。

これに先立ち、トランプ大統領はツイッターで、サウジアラビアなどによるカタール孤立化の動きが「テロの恐怖を終わらせる始まり」になるかもしれないと書いていた。

サウジアラビアやエジプト、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメン、モルジブ、リビアの東部政府、モルジブは今週、相次いでカタールとの断交を発表した。

カタールは、イスラム主義組織ムスリム同胞団などテロ集団を支援しているとの各国からの非難を強く否定している。

クウェートのサバハ首長が仲介に動いているほか、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領も、孤立化や制裁では危機を解決できないとして、仲介を申し出ている。

断交によって、原油価格や旅行、輸送に影響が出ているほか、カタール国内ではスーパーマーケットで物資の不足が生じている。

トランプ大統領はどう言っているのか

トランプ大統領は6日、カタールに対する圧力が高まっていることについて、自らの手柄だとした。先月のサウジアラビア訪問が「すでに結果を出している」と述べた。

トランプ氏はツイッターで、「先日の中東訪問で、私は過激思想への資金提供はもう許されないと発言した。首脳らはカタールを名指しした。ほら見ろ!」と述べた。

その後、トランプ氏はツイッターでさらに、「サウジアラビアで国王や50カ国(の首脳)と会ったことがすでに結果を出しているのはうれしい。過激主義への資金援助に厳しく対応すると彼らは言っていたし、あらゆる材料がカタールの関与を示していた。これはテロの恐怖を終わらせる始まりなのかもしれない」と連続投稿した。

ロイター通信によると、サルマン国王への電話でトランプ大統領は、「地域の平和と安全のため湾岸諸国の団結が重要だ」と述べた。

一方で米国防総省は、カタールが中東地域最大の米空軍基地を受け入れていることに謝意を告げた。

サウジアラビアのアデル・ジュベイル外相は6日、カタールが孤立化を望まないのなら、エジプトのムスリム同胞団やパレスチナの武装勢力ハマスとのつながりを断つべきだと述べた。

パリを訪問中のジュベイル外相は、「誰もカタールに危害を加えたいわけではない。同国はこちらへ進むのかあちらへ進むのか、選ばなくてはならない」と語った。

ジュベイル外相は、経済的措置による圧力からカタールが「正常な国らしく」ふるまうようになるはずだと話した。

同外相は、国交回復のためカタールが変更すべき政策として、「過激派集団への支援」、「敵対的なメディア活動」、「他国への内政干渉」を挙げた。

カタールでは何が起きているのか

ワシントンで取材するBBCのバーバラ・プレット・アッシャー記者によると、カタールやサウジアラビア、クエートのすべてがシリアの過激派に資金提供していたものの、米国の圧力を受けて停止した。しかし、中立の立場からの仲介役を目指したカタールは、ほかの国よりもかなり不透明なつながりを持っていたという。

しかし、カタールのモハメド・ビン・アブドゥルラフマン・サーニ外相は、「カタール政府がイスラム教過激主義者を支援している証拠は一つもない」と語った。

6日には、複数の国がカタールから大使を召還。一部の国はカタールとの交通経路を遮断し、カタール国民に2週間以内の国外退去を求めた。

航空交通の混乱は現地時間の6日朝から起き始めた。カタールの首都ドーバは国際便の主要な空港ハブに位置付けられている。

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Image caption UAEのドバイにあるカタール航空事務所の前に集まった人々(6日)

影響を受けている航空会社は、カタール航空のほか、UAEのエティハド航空、エミレーツ航空など。サウジアラビアとバーレーンはカタール航空の営業免許を剥奪(はくだつ)し、事務所の閉鎖を命じた。

カタールは広大な国土を持つサウジアラビアの隣にある。そのため、サウジアラビアによる空域封鎖を受けて、同国航空機の一部の飛行経路は迂回が必要になり、フライトの所要時間がより長くなる。

カタールは食料輸入でもサウジアラビアに大きく依存しており、物資を備蓄しようとする住民らがスーパーマーケットで列を作った。

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Image caption カタール市民は水を備蓄している

カタールに味方している国はあるのか

トルコのエルドアン大統領はカタールの孤立化では「問題は何も解決しない」とし、「双方の対話」を促した。同大統領は、「この点で、カタールの建設的な態度を評価する」と述べた。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、エルドアン大統領やカタールのタミム首長と個別に電話会談した。マクロン大統領は、「鎮静化を促すすべての取り組み」を支持する準備があると表明した。

(英語記事 Qatar row: Trump claims credit for isolation

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