高級マンションの地下で400人が生活 中国・北京で

北京では建物の地下がこのように居住用に改築されているのは珍しくない(写真は2014年撮影) Image copyright AFP/Getty Images
Image caption 北京では建物の地下がこのように居住用に改築されているのは珍しくない(写真は2014年撮影)

中国・北京でこのほど、高級マンションの地下に約400人が住む居住区が存在すると報じられ、北京の厳しい住宅事情に関心が集まっている。

国営ラジオ、中国人民広播電台(中央人民放送)は今月17日、北京の北東部の、外国人に人気がある高級マンションが建ち並ぶ地区「聚龍花園」の地下に、窓のない部屋が並び、非常口が一つしかない居住区があると報道した。

住宅価格の高騰が問題となっている北京には、1970年代から80年代にかけて作られた防空壕や地下施設で暮らす「ネズミ族」と呼ばれる住民が推計100万人いるとされる。

地上とは対照的

中央人民放送によると、マンションの所有者らが見慣れない人々がいるのに気付くようになり、その後、地区の中の1棟の地下に、ドアの向こう側に隠された部屋が複数あるのが分かったという。

そこには、労働者が寝泊まりする狭い部屋が並び、台所や「喫煙室」まであった。

地下の住民は出稼ぎ労働者で、広い敷地内にマンション数棟が並ぶ「聚龍花園」の地上の住民たちとは対照的な生活を送っている。

地下の施設が合法的なのかは不明で、当局が調査している。中国人民放送によると、地下部分は地元政府が所有しているが、また貸しされている可能性が高い。

当局は過去に、地下のスペースを居住などの目的で活用することを奨励していたが、数が増え安全面での懸念が高まったことから、近年では取り締まるようになり、認可しなくなった。

2015年には、当局が安全確保を理由に大規模な強制立ち退きを実施し、12万人以上の「ネズミ族」が追い出されている。

Image copyright AFP/Getty Images
Image caption 部屋の多くは狭く、窓もない

多くの出稼ぎ労働者や学生が地下の部屋に住むのは家賃が安いためだ。一部の証言によると、寮形式の部屋の一部を借りた場合、1カ月の家賃は20ドル(約2200円)で済むこともある。

北京では家賃の上昇が止まらず、ついに昨年には、英国に拠点を置く「グローバル都市企業連合」が世界の主要15都市で実施した調査で、住民の家賃負担が重い都市ランキングの1位になった。

最近実施された調査では、北京の平均家賃は月4550人民元(約7万4000円)と、2010年と比べて約6割上昇した。

しかし、「戸口」と呼ばれる中国の戸籍制度も、首都北京で多くの人が地下に居住する背景にある。手頃な家賃の住宅を含む公的福祉は、出身地から容易に動かすことができない「戸口」制度に基づいて提供されるためだ。

「聚龍花園」の地下住居が報道された後、ミニブログ「微博(ウェイボ)」には、諦めと憤慨の入り交じった声が寄せられている。

あるユーザーは、「なんでこんな風に詰め込まれて生活をするために北京に来るのか。理解できない」とコメント。また別のユーザーは、「北京はあなたを歓迎します。(お金があればの話ですが)」と冗談まじりのコメントを投稿した。

(英語記事 Subterranean home for 400 found in Beijing basement

この話題についてさらに読む