米政府、北朝鮮のICBM発射実験を確認

朝鮮中央テレビはICBM発射実験の際に撮影されたとする写真を公開した Image copyright Reuters
Image caption 朝鮮中央テレビはICBM発射実験の際に撮影されたとする写真を公開した

北朝鮮が4日に発射した弾道ミサイルについて、米政府は同日、北朝鮮が主張しているとおり、大陸間弾道ミサイル(ICBM)だったと確認した。

レックス・ティラーソン国務長官は、米国や世界に対する「脅威がさらに深刻化した」とし、米国は「核武装した北朝鮮を絶対に容認しない」と述べた。

北朝鮮は4日、ICBMの発射実験に成功したと国営メディアを通じて発表していた。

米政府関係者は、北朝鮮のミサイルがアラスカ州まで到達できるようになった可能性があるとみている。

しかし専門家たちは、標的に正確に当てる技術は北朝鮮にないと考えている。

日本海に着弾した今回のミサイル発射を受け、米国防総省のダナ・ホワイト報道官は、「我々の精密な攻撃能力を見せるため」、米国と韓国が「合同(軍事)演習を実施した」と述べた。

米国はまた、北朝鮮問題を話し合うため国連安全保障理事会の緊急会合を要請した。安保理は5日に非公開の会合を開く予定。

ティラーソン長官は4日の声明で、「米国は北朝鮮による大陸間弾道ミサイルの発射を強く非難する。ICBM発射実験は、米国と同盟・パートナー国、地域、そして世界に対する脅威がさらに深刻化したのを示している」と述べた。同長官はさらに、「世界的な脅威を止めるには世界的な行動が必要だ」と強調した。

ティラーソン長官は、北朝鮮に対して経済的、軍事的な支援をしたり、国連安保理の決議を完全に守らなかったりした国があったとすれば、「危険な政権を助け、けしかけている」とくぎを刺した。

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米韓、ミサイル発射演習 北朝鮮のICBM発射受けて

北朝鮮の発表

国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、金正恩・朝鮮労働党委員長の立ち会いのもと、ICBM「火星14」を発射したと伝えた。ミサイルの飛行距離は933キロで、高度は2802キロに達したという。39分間飛行して海上の標的に命中させたと、同テレビは説明している。

KCNAは、金正恩委員長が「米国人たちへの独立記念日の贈り物だ」と述べたと伝えた。

ミサイルの射程

韓国のソウルで取材するスティーブン・エバンズ記者は、注目されるのはミサイルの射程距離だと指摘。米国本土に到達できるのかという点だ。

米団体の「憂慮する科学者同盟(UCS)」の物理学者、デイビッド・ライト氏は、もし報道内容が正確であれば、標準的な軌道で最大射程距離は約6700キロだという。この場合、アラスカ州が射程に入るものの、ハワイ州を含むほかの49州には到達できない。

エバンズ記者はさらに、ミサイルが大気圏に再突入する際の弾頭の耐熱性などの技術を北朝鮮が得ているかどうかは不明だと指摘している。

Image caption 北朝鮮のミサイルの射程距離。①が火星(1000キロ)、②がノドン(1300キロ)、③がムスダン(3500キロ)、④が今回の発射実験で使われた火星14(6700キロ)

各国の反応

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、国連安保理に対し、北朝鮮問題で行動を起こすよう求めた。

日本の菅義偉官房長官は、「北朝鮮による度重なる挑発行為は断じて容認することはできない」と述べた。安倍晋三首相は、7、8日にドイツのハンブルクで開催される主要20カ国・地域首脳会議(G20)に合わせて日米韓首脳会談を行い、3カ国が連携して北朝鮮に圧力をかけていくと語った。

米国のドナルド・トランプ大統領もミサイル発射から時間を置かずに反応した。トランプ氏は4日、金正恩氏についてとみられるツイートで、「こいつはもっとほかにまともなやることはないのか」と書いた。

「韓国と日本がこれ以上我慢するとは思えない。もしかしたら中国が北朝鮮にすごい事をして、このナンセンスに一気に終わらせるかもしれない」

トランプ大統領は、北朝鮮が経済的に最も依存する中国が圧力をかけることで、北朝鮮の核・ミサイル開発を止めるべきだと、中国に繰り返し要請してきた。

トランプ氏は今年1月、北朝鮮が米国を攻撃する能力を持つ可能性について「そんなことは起きない」とツイッターで述べた。専門家らは、時間の猶予は5年かそれよりも短いかもしれないと指摘している。

一方、英国のボリス・ジョンソン外相は、「北朝鮮の人々が飢餓と貧困に耐えるなかでも、核兵器を作り、不法なミサイルを発射しようと全力を挙げる政権に代償を払わせるため」、国際社会が「あらためて努力する必要がある」と述べた。

Image copyright KCNA/REUTERS
Image caption 朝鮮中央テレビは金正恩委員長が発射実験に立ち会ったと伝えた
Image caption ICBM発射の仕組み。ミサイル本体と弾頭を大気衝突から守る「シュラウド」を分離させながら、頂点高度(地上800~1600キロ)に達した後、標的上空で弾頭が爆発する
Image caption ICBMの主要部分。左から、エンジン、1段目、2段目、3段目、ポストブースト体(PBV=小型ロケット)、再突入体(弾頭)、シュラウド

(英語記事 North Korea missile test was ICBM - US

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