イラク首相がモスル訪問 ISからの奪還宣言へ

ツイッターで公表されたイラク政府側の戦闘員と握手するアバディ首相の写真 Image copyright Iraq PM office/Twitter
Image caption ツイッターで公表されたイラク政府側の戦闘員と握手するアバディ首相の写真

イラクのハイダル・アバディ首相は9日、過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)からの奪還作戦が行われていた北部の主要都市モスルを訪問した。

米国主導の有志連合による空爆の支援を受けたイラク軍は、昨年10月17日に奪還作戦を開始した。

ISは、イラク国内のイスラム教スンニ派が多数を占める地域の大半を支配下に置いた後、2014年6月にモスルを占拠。イラクとシリアにまたがる「カリフ制国家」の樹立を宣言した。

長く続いた消耗戦には、クルド人部隊ペシュメルガとスンニ派のアラブ人部族、シーア派民兵も参加していた。

首相府の発表文は、アバディ首相がモスルでのISに対する最終的な勝利について「軍とイラクの人々にお祝いを述べる」ために同市に到着したと述べた。

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Image caption モスル旧市街でイラク国旗を振って勝利を祝うイラク連邦警察(9日、モスル)

アバディ首相は、「勝利は確実で、(ISの)残党は包囲されている。我が国民に偉大な勝利を発表するのは時間の問題だ」と語った。

市内の通りでは、アバディ首相の到着を祝う人々の姿があった。しかし首相は正式な勝利宣言の演説をまだ行っていない。首相府は、モスル旧市街近くにわずかに残るIS戦闘員が掃討されるまで、正式な勝利宣言は行わない方針。

空爆と銃撃戦は9日も続き、町の上空に煙が上がるのが見えた。

ISがモスルで敗北しても、タル・アファルなど西部アンバル県の3つの町を含む支配地域は残っており、ISが完全に掃討されたわけではない。政府掌握地域に対する爆弾攻撃も可能だ。

イラク政府は今年1月にモスル東部を解放したと宣言していたが、曲がりくねって狭い道路の多い西部の掌握は難航していた。

支援団体によると、2014年以来、戦闘が始まる前の人口の約半分にあたる約90万人が住まいを失っている。

モスルで一定の勝利は宣言されているものの、国際支援組織「セーブ・ザ・チルドレン」は子供たちが「暴力の極限状態や目の前で愛する人々が殺される記憶に苦しめられる」という精神的な打撃を受けていると警告した。

同組織イラク事務所代表のアナ・ロクシン氏は、「子供たちや家族が恐怖体験を乗り越え生活を取り戻すためには、心理面での支援が不可欠だ」と述べた。「しかし現時点の各国は、心の健康対策にほとんど何も資金提供していない」。

Image caption モスル奪還作戦の推移。オレンジ色がIS支配地域、緑が政府軍支配地域

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は9日、モスル奪還を歓迎し、有志連合に参加するフランス軍を含む兵士・戦闘員らを称賛した。

英国のマイケル・ファロン国防相もアバディ首相への祝辞を述べ、「モスルから死のカルト集団を一掃するのを助けた有志連合で英国は主導的役割を果たしてきた」と語った。

欧州連合(EU)のフェデリカ・モゲリーニ外務・安全保障政策上級代表(外相)と欧州委員会のクリストス・スティリアニデス人道援助・危機管理担当委員は連名で声明を出し、「(ISからの)モスル奪還は、イラクの一部地域でテロリストによる支配を終わらせ、人々を解放する上で、決定的な一歩となった」と述べた。

両氏はまた、「人々の帰還と、異なる社会間の信頼回復」を訴えた。

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Image caption 多数のイラク市民が旧市街から避難できずにいたが、最近は避難者が増えていた

(英語記事 Mosul: Iraq PM to celebrate victory over IS in the city

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