ロンドン北東部で酸攻撃が連続5件 少年逮捕

酸攻撃のあったロンドン・ストークニューイントンの現場(13日)
Image caption 酸攻撃のあったロンドン・ストークニューイントンの現場(13日)

ロンドン北東部の5カ所で13日夜、通行人が何者かに腐食性の強い酸のような物質をいきなり投げかけられる事件が5件相次いだ。ロンドン警視庁は、16歳の少年を傷害や窃盗など計15件の疑いで逮捕・訴追したと発表した。15歳の少年も逮捕されたが、保釈された。

ロンドン北東部のハックニー、ストークニューイントン、イスリントンで午後10時25分ごろから90分の間に、酸を使った攻撃が5件相次ぎ、警察は連続事件として調べている。被害者のひとりは「人生が一変してしまう」ほどの重傷という。

調べによると、ハックニーの通りで午後10時25分ごろ、モーペッド(原付自転車)に乗っていた32歳男性の横に、モーペッドに相乗りする男性二人組が近寄り、男性の顔に腐食性の物質を投げつけた。犯人の一人が男性の自転車を奪い、二人一緒に現場から逃走したという。

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Image caption ハックニーで酸を投げつけられた被害者を助けようと、大勢が集まった

事件5件の時系列

  • 午後10時25分――ハックニー通りで32歳男性が、男二人に腐食性の物質を投げつけられ、顔を負傷。男たちは男性のモーペッドを奪い逃走
  • 午後10時49分――イスリントンでモーペッドに乗った男二人が、通行人の顔に腐食性の物質を投げつけたと通報
  • 午後11時5分――ショアディッチ・ハイ・ストリートで、モーペッドに乗った男二人に腐食性の物質を投げつけられたと言う人が、病院搬送される。警察によると、けがの程度は命に関わったり人生を一変させるほどのものではないと
  • 午後11時18分――ストーク・ニューイントンのカゼノーブ通りで腐食性の物質が投げつけられ、窃盗事件があったと通報。警察は現場で、顔に「人生を一変させるほどの」重傷を負った男性を発見
  • 午後11時37分――クラプトンのチャッツワース通りでモーペッドに乗っていた男性が、モーペッドに乗った男二人から腐食性の物質をスプレーされる。男性は自転車を奪われ、ロンドン東部の病院に搬送された

増える酸攻撃

イングランドでは2012年以来、腐食性の強い物質を使った攻撃の件数は倍増している。特にロンドンでは近年、酸攻撃の数は劇的に増えた。

ロンドン警視庁の統計によると、2015年に市内で起きた酸攻撃は261件だったのに対して、昨年は458件に増えた。今年に入ってからは、すでに119件が発生している(13日の5件を除く)。

ストークニューイントン選出の労働党議員で影の内相のダイアン・アボット氏は、「またひどい酸攻撃。ただモーペッドを盗むだけのために、どうして一生残るようなけがをさせるのか」とツイートした。

イーストハム選出のスティーブン・ティムス労働党議員は、ロンドンの酸攻撃増加について下院に議論の動議を提出した。

ロンドンで昨年起きた酸攻撃の約3割が、ティムス議員の選挙区内にあるニューアムで起きている。

ティムス議員はBBCラジオに対して、正当な事由なしに硫酸の瓶を持ち歩くのは、刃物と同様に違法とするべきだと述べた。「自分は特に、硫酸を懸念している」と議員は強調した。

サラ・ニュートン内務政務官はBBCラジオに対して、政府はロンドン東部などで起きた酸攻撃を受けて、一部の化学物質について規制強化を検討していると話した。ただし、「対象となる化学物質は、普通の家の台所にあるようなもの」なので、実際の規制は難しいと説明した。

ニュートン政務官は、酸が「武器として」使われているのは明らかで、他人の攻撃に酸を使う人たちの「動機を理解」するため調査が始まっていると述べた。

さらに、酸を使った傷害行為に対する量刑も政府として検討していると話した。

(英語記事 Acid attacks: Teen arrested after five linked attacks in east London

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