ベトナムが南シナ海での石油掘削を停止 中国から脅しと業界筋

ベトナムを含む南シナ海周辺諸国は中国と領有権をめぐって対立している Image copyright AFP
Image caption ベトナムを含む南シナ海周辺諸国は中国と領有権をめぐって対立している

ベトナムが中国と領有権を争う南シナ海の海域で行っていた石油の掘削を停止したもようだ。BBCの取材で24日までに明らかになった。

東南アジアの石油産業の情報筋はBBCに対し、ベトナム政府が掘削に関わるスペイン・レプソル社の関係者に現場を離れるよう命令したと話した。ベトナム外交筋も事実関係を確認した。

数日前には、レプソルが現地で大規模なガス田の存在を確認していた。

業界筋によると、ベトナム政府は先週、レプソル幹部に対し、中国が掘削を続けるならベトナム軍が駐留する南沙(スプラトリー)諸島を攻撃すると脅したためだと説明したという。

中国は南シナ海のほぼ全域にわたって領有権を主張しているが、一部の島や岩礁について周辺国も領有権を主張している。

掘削は、ベトナム東南部から400キロの位置にある海域で先月開始されていた。

Image caption 南シナ海で領有権が争われている西沙(Paracel )諸島や南沙諸島(Spratly )、中国が建設した人工島(Mischief Reef)、中国が主張する領海(赤の線)と周辺国の排他的経済水域(EEZ)(青の線)

ベトナムは同海域を「ブロック136-03」と呼んでおり、レプソルの子会社タリスマン・ベトナムにリースされていた。

中国は同じ海域を「ワンアンベイ21」と呼び、別の会社にリース権を与えている。リース権を持つ会社は明らかになっていない。2015年には香港の上場会社ブライトオイルがリース権を買収したとされたが、同社は否定している。ブライトオイルの役員のうち2人は中国共産党幹部。

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Image caption 2014年には中国とベトナムの沿岸警備隊の船がにらみあう事態となった(2014年5月)

タリスマン・ベトナムは当初、カナダのタリスマン所有だったが、タリスマンがスペインのレプソルに買収されたことを受けて、2015年からレプソル傘下となっている。

匿名希望のアナリストは、レプソルはベトナムでの油田開発にこれまでに約3億ドル(約330億円)を投資したとみられると語った。

関係者らは、中国の圧力を受けてベトナムがこれほど早期に掘削を停止するとは思っていなかったと語った。

2014年には、西沙(パラセル)諸島に近い南シナ海の別の海域で、ベトナムと中国双方の沿岸警備隊を含む船の間で衝突が起きている。

(ビル・ヘイトン記者、BBCニュース)

(英語記事 South China Sea: Vietnam halts drilling after 'China threats'

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