北朝鮮、グアム攻撃計画「8月半ばまでに用意」

北朝鮮とグアムの距離を解説するテレビを眺める韓国兵(9日、ソウルの鉄道駅で) Image copyright AFP
Image caption 北朝鮮とグアムの距離を解説するテレビを眺める韓国兵(9日、ソウルの鉄道駅で)

北朝鮮の国営・朝鮮中央通信(KCNA)は10日、中距離弾道ミサイル「火星12」4基を米領グアム付近に発射する準備を今月半ばまでに完了すると伝えた。軍幹部は、ミサイルが「日本の島根、広島、高知各県の上空を飛ぶ」ことになると警告したという。ドナルド・トランプ米大統領が、「北朝鮮がこれ以上、米国を脅せば」「炎と激怒」で対応すると発言したことについては、「理性を欠いている」と批判した。

7月に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を2回繰り返した北朝鮮への国連制裁が可決されたのを機に、米朝間の舌戦が激化している。

KCNAは金洛兼将軍の談話として、「朝鮮人民軍が発射する火星12ロケットは、日本の島根、広島、高知各県の上空を飛び、3356.7キロを1065秒飛翔した後、グアムから30~40キロ離れた海面に着弾する」と報道。朝鮮人民軍はこの発射計画を8月半ばまでに「ついに完成させ」、金正恩・朝鮮労働党委員長に報告して承認を求める方針という。

KCNAはさらに、トランプ大統領が北朝鮮の脅しには「世界が見たこともないような炎と激怒」で対抗すると発言したことについて、「まったくのたわごとだ」と一蹴。「理性を欠いているこのような男と、まともな対話など不可能だ。絶対的な力しか、あの男には通用しない」と非難した。

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トランプ氏、北朝鮮の脅しには「炎と激怒」で対抗と

一方で米国は、北朝鮮がミサイルを発射すれば「体制の終わり」につながりかねないと警告。ジム・マティス国防長官は9日、北朝鮮が米国や同盟諸国と戦争するに至った場合、北朝鮮の戦力は「とんでもなく劣っている」ことが明らかになると強調した。

マティス長官は北朝鮮に核・ミサイル開発の停止を求め、「DPRK(朝鮮人民民主主義共和国)は、自分たちを孤立させるのをやめ、核兵器の追求をやめなくてはならない」と述べた。

「我が国の国務省は、外交手段でこの地球的脅威を解決するため全力を尽くしているが、(米国の)同盟各国の軍事力を合わせれば、我々は今や地球上で最も正確で、訓練を重ねた、旺盛な防衛攻撃能力を保有している」と長官は強調した。

トランプ大統領はこれに先立ち10日、休暇先のニュージャージーでツイートし、米国の核攻撃力は「かつてないほど強力だ」と自慢した。

他方でレックス・ティラーソン国務長官は訪問先のグアムから、北朝鮮は米国民にとって切迫した脅威ではないと冷静な対応を呼びかけた。ティラーソン長官は、中露を交えた世界的な「圧力キャンペーン」を通じて、北朝鮮と「別の未来」を模索する対話の開始が可能だと期待していると述べた。

ティラーソン氏は、情勢はここ数日の間に劇的に変化したわけではなく、米国人は「ぐっすり安眠するべきだ」と呼びかけた。

中国政府は、情勢は「複雑でデリケート」だと述べ、平静を呼びかけた。

トランプ大統領の「炎と激怒」発言に先駆けて8日、米紙ワシントン・ポストは米情報関係者の話として、北朝鮮が核弾頭の小型化に成功しており、米本土に届く核ミサイルの開発も予想よりかなり早く完成しそうだと伝えた。大陸間弾道ミサイル(ICBM)に加えて、ミサイルに搭載可能な核弾頭を入手すれば、北朝鮮は攻撃能力を持つ核保有国ということになる。

ただし、ほとんどの専門家は、北朝鮮が自殺行為に等しい先制攻撃を米国に仕掛けるとは思っていない。


小さいが重要なグアム

  • 面積541平方キロのグアムは、フィリピンとハワイの間の太平洋上に位置する火山島。
  • 合衆国憲法が完全適用されない「未組織、未編入」の米領で、人口約16万3000人。
  • 島の約4分の1を米軍基地が占める。人員約6000人が配備されており、さらに数千人を追加配備する予定。
  • 南シナ海、朝鮮半島、台湾海峡などアジア太平洋地域で緊張が起こりやすい地域に近く、米軍にとって重要な足がかりとなる。

(英語記事 North Korea Guam missile strike plan 'ready by mid-August'

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