英、EUとの「一時的な関税同盟」を要請へ 新協定までの移行期間

EUの関税同盟の下、加盟国以外からの輸入には同率の関税が課されている Image copyright Getty Images
Image caption EUの関税同盟の下、加盟国以外からの輸入には同率の関税が課されている

欧州連合(EU)からの離脱交渉を進める英政府は、2019年3月に予定される離脱直後にEUと「一時的な関税同盟」を結び、新協定までの移行期間とすることを求める考えを示す見通しとなった。

英政府は、15日に公表予定の関税同盟に関する交渉方針を説明する文書で、EUとの「野心的な新たな関税協定」を目指すと表明。欧州各国と「最も自由で最も摩擦の少ない貿易」ができるとしている。

これには、離脱直後に予想される国境をめぐる問題を防止するための「一時的な関税同盟」が含まれるという。

英国は、EU離脱に伴い現在の加盟国間の関税を免除する仕組みから脱退すると表明しており、企業は脱退後の姿について明確にするよう求めている。

英政府は今後も、離脱交渉に関わる主要な論点について説明する文書を公表する予定。16日には、北アイルランドとアイルランドとの間の国境管理の方針に関する文書が出る予定となっている。

今回発表された方針では、EUとの「一時的な関税同盟」を維持しつつ、他国と貿易協定の交渉を進める考えが示されている。現在の加盟資格では他国と独自に交渉することは許されていない。

移行期間後に英国は、EUとの国境を「大幅に簡素化された」ものにするか、新たな「パートナーシップ」の下での税関のない国境を設けるかの、いずれかを目指す。

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Image caption 英国のデイビッド・デイビス・ブレグジット担当相(写真左)とEU側交渉責任者のミシェル・バルニエ氏(同右)

英政府は一時的な取り決めによって、企業が最終的な合意にのみ対応すれば済む形にしたい考え。

ただし、これらすべてはEUとの交渉にかかっており、貿易をめぐる交渉は始まってもいない。

EUへの「手切れ金」となる未払い分担金の額なども交渉の障害になっている。

国内の反応

野党・労働党の「影の内閣」でブレグジット担当相を務めるサー・キア・スターマーは、政府の提案は「一貫性がなく、不十分」だと述べ、「内閣内で続く深い対立を取り繕おう」とするものだと述べた。

「空想的で矛盾する提案は、交渉担当者への手引きにも、企業に確実性を与えるものにもなっていない」

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Image caption 野党・労働党のサー・キア・スターマーは政府提案は「空想的」と批判した

自由民主党の広報担当者トム・ブレイク氏は、政府提案は「関税同盟からの脱退による経済的な痛みを遅らせるだけに過ぎない」と語った。「移行期間が終われば、企業への規制が強化され、国境でもっと待たされ、消費者物価が上昇するという将来が依然として待っている」。

しかし、英産業連盟(CBI)のジョシュ・ハーディ事務局次長は、政府提案に「勇気付けられる」とし、「時間は迫っており、今重要なのは企業に投資を続ける自信をできるだけ早く与えることだ」と述べた。

(英語記事 Brexit: UK suggests 'temporary customs union' with EU

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