衝突の米駆逐艦内で遺体発見 艦隊司令官、解任へ

USS John S McCain after the collision Image copyright Reuters
Image caption タンカーと衝突後の米駆逐艦「ジョン・S・マケイン」

シンガポール沖で21日に米誘導ミサイル駆逐艦「ジョン・S・マケイン」がリベリア船籍のタンカーと衝突した事故で、行方不明になった乗組員10人を捜索している米海軍は22日、一部の遺体を発見したと明らかにした。また米政府筋によると、米海軍は同駆逐艦が所属する第7艦隊の司令官を解任する方針。6月にも同艦隊所属のイージス艦が静岡県の伊豆半島沖でコンテナ船が衝突し、イージス艦の乗組員7人が死亡している。

シンガポールのチャンギ海軍基地に停泊中の「ジョン・S・マケイン」艦内を潜水士が捜索したところ、遺体を発見したという。米太平洋艦隊のスコット・スウィフト司令官は、「艦内の封鎖区域に数人の遺体を発見した」と説明した。司令官によると、捜索救助活動に協力しているマレーシア海軍が発見した一人の遺体についても、行方不明の乗組員か確認作業中。

また、米政府筋によると米海軍は、第7艦隊司令官のジョセフ・オーコイン中将を解任する方針という。2015年に同艦隊司令官となった中将は、数週間の間に引退予定だった。

「ジョン・S・マケイン」は21日午前5時24分ごろ(日本時間同日午前6時24分ごろ)、リベリア船籍のタンカーと衝突した。左舷が大きく損傷し、乗組員の居住区など艦内の一部が浸水。5人が負傷し、その内4人がシンガポールの病院に搬送された。

衝突したタンカーはリベリア船籍の「アルニックMC」。喫水線の7メートル上の船首付近に損傷を受けたが、乗務員は無事で、石油の流出もなかったという。台湾からシンガポールへ石油を運んでいたアルニックは現在、シンガポールに停泊中。

米国のほか、マレーシア、インドネシア、シンガポール各国の海軍が捜索救助活動に参加している。

Image caption 衝突事故現場(collision)とその後のシンガポール・チャンギ海軍基地までの航行経路

昨年8月以来、米海軍艦が衝突事故に巻き込まれるのは4回目。今年6月には、静岡県の伊豆半島沖で米イージス駆逐艦「フィッツジェラルド」とコンテナ船が衝突し、イージス艦の乗組員7人が死亡している。海軍は今月半ば、フィッツジェラルドの艦長解任を発表した。

「ジョン・S・マケイン」の事故を受けて米海軍は世界的な「作戦一時休止」を命令している。

事故原因はまだ不明だが、米海軍作戦部長のジョン・リチャードソン提督は、各艦隊司令官に今後数週間の間に数日、通常業務を停止し、「安全で効果的な作戦行動のための根本的な習慣を把握・点検するよう」指示した。

リチャードソン作戦部長はさらに、「複数の事案発生に至った要因と根本原因を見つけるため」、包括的な点検を命令した。

作戦部長は文書で、「学習し、短期間で改善を続け、基本的な部分ではしっかりしていることを確認し、もしそうでなければ是正措置を取り、その上でより広範で体系的な問題をこの包括的点検で発見した場合は、それを見ていきたい」と発表した。

リチャードソン提督はさらにツイッターで、何らかの外部からの干渉やサイバー攻撃が衝突の背景にあった可能性は除外しないと書いた。


Image caption 「ジョン・S・マケイン」(全長154メートル、最大幅20メートル)と「アルニックMC」(同183メートル、同32メートル)の比較。

(英語記事 US Navy collision: Remains found in hunt for missing sailors

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