ミャンマーの少数民族ロヒンギャ、衝突受け多数が隣国に避難

衝突から避難しようとラカイン州の住民の多くが居住地を離れている Image copyright AFP
Image caption 衝突から避難しようとラカイン州の住民の多くが居住地を離れている

ミャンマー西部ラカイン州で、少数民族ロヒンギャの武装集団と警察・軍との間で起きた武力衝突を受け、多数のロヒンギャ住民が隣国バングラデシュに避難しようとしている。

武装したロヒンギャの人々が25日に警察の出先30カ所を襲うなどし、武力衝突は26日になっても続いた。多くのロヒンギャ住民はバングラデシュとの国境に避難したが、バングラデシュ警察が行く手を阻んでいる。

ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は27日、ロヒンギャ迫害をやめるよう訴えた。

仏教徒が多数を占めるミャンマーで、イスラム教徒のロヒンギャの権利は厳しく制限されており、仏教徒との緊張関係は長年にわたり続いてきた。

今回の衝突が起きる前にも、数万人のロヒンギャがミャンマー当局の迫害を理由にバングラデシュに避難している。

ミャンマー最貧のラカイン州では、100万人以上のロヒンギャが暮らしている。BBCのアジア太平洋編集長マイケル・ブリストウは、ロヒンギャたちが直面する権利の制限が極端な思想を生み出すきっかけになったと指摘した。

バングラデシュ警察は、国境を越えて難民キャンプに向かっていたロヒンギャ70人をガムダム地域で発見し、26日にミャンマーに強制送還したと述べた。「ミャンマーに送り返さないでくれと訴えていた」と話す警官もいる。

Image caption ラカイン(Rakhine)州の位置

AFP通信によると、ロヒンギャ族約3000人が25日以降、バングラデシュ国内で難民たちが住むキャンプや村に到達。バルカリにある臨時キャンプにたどり着いた人たちは、ミャンマーでの恐ろしい体験を口にした。

モハマド・ザファルさん(70)は「自分のすぐ近くで発砲されたので、今は耳が全く聞こえない」と話した。武装した仏教徒たちがザファルさんの息子2人を野原で射殺したという。

「あいつらは、棹(さお)や棒を手に、私たちを国境の方に追いやろうとやって来た」

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Image caption 武装した警官がラカイン州を巡回している

ガムダム村の近くで、アミール・ホサインさん(61)はロイター通信に対し、「私たちを助けてください。ここにいたい。さもなければ殺されてしまう」と語った。

一方、イスラム教徒でないラカイン州の住民約4000人が、安全確保のため軍によって避難させられた。6人が武力衝突が起きている地域に迷い込み、殺害されている。

フランシスコ法王は声明で、「宗教的少数者が迫害を受けている、ロヒンギャの兄弟たちがひどい目に遭っているという、悲しい知らせを受け取りました。私は全面的に、ロヒンギャの人たちの側に寄り添っている。彼らを救済し、善意の人々が彼らを助けるよう促し、彼らに完全な権利が与えられるよう、全員で主に願いましょう」と述べた。

今回の武力衝突は、2016年10月に国境警備拠点の襲撃で警官9人が死亡して以来、最も激しい衝突となった。政府は当時、存在を把握していなかったロヒンギャ武装集団による攻撃だったと発表した。

襲撃を受けて、軍がロヒンギャ族を弾圧。軍による殺人や強姦、拷問事件が多発したという指摘もある。これを機に、多くのロヒンギャ住民がバングラデシュに逃げた。

国連は現在、治安部隊による人権侵害があったのか調べている。治安部隊は、そのような事実はないと反論している。

(英語記事 Myanmar Rakhine: Thousands flee to Bangladesh border

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