ヒアリの大群が水面に――米テキサス州洪水で多数の目撃情報

ヒアリ Image copyright Biosecurity Queensland

ハリケーンから低気圧に変わった「ハービー」による大規模洪水が起きた米南西部テキサス州で、ヒアリの大群が水面に浮かんでいる様子が多くの人に目撃された。ソーシャルメディアにはヒアリたちを撮影した写真や動画が多数投稿されている。

昆虫の専門家たちによると、地下の巣が水没した時に見られるヒアリの習性で、原産地である南米の氾濫原ではよくある現象だという。

しかし触ってはいけない。ヒアリ(火蟻)と呼ばれるのには理由があり、刺されると焼けるような痛みが生じる。

地元紙ヒューストン・クロニクルの医療担当記者、マイク・ヒクセンバウさんはヒアリの大群を撮影した動画をツイッターに投稿し、「プロからアドバイス。浮かんだヒアリのコロニーにはさわらないように。ひどい目に遭いますよ」とコメントした。

英国に拠点を置く昆虫保護団体「バグライフ」のマット・シャドローさんは、「ヒアリに体が覆われるような状態にならない方が良いことは確かだ」と話す。シャドローさんは「近づかないように」とアドバイスする。

ヒアリが体に付いた場合に一番良いのは、すぐつまんで離し、その場を去ることだ。

さて、テキサス州で人々が撮影している水面に浮かんだヒアリの大群はどうか。

一つの「いかだ」にいるヒアリの数は10万匹に上る可能性がある。彼らはろう質の水をはじく体を使い、女王アリの周りに固まってつながり、新たに巣を作る場所を探す。

いかだの底にいるアリたちは女王のために死んでしまうのかと思うかもしれないが、そうではない。いかだの中には空気がためられた空間があり、ほかの昆虫たちと同様、気門を使って呼吸することができる。

「すべての昆虫は水に浮く」と王立昆虫学会のジム・ハーディ教授はBBCに語った。「底にいるのも全く大丈夫」。

気持ち悪い映像だが、YouTubeに掲載された映像では、アリたちが作るいかだは、上から押しても水の中に沈まず、水面をさらに下に押し下げるだけだ。アリのいかだについては工学的な観点からの研究もされている。

ハーディ教授は、「彼らはすべての状況に備えている。ハリケーンでさえも」と話す。「タフなやつらです」

アリたちは何週間も食べ物が見つからなくても、さなぎ状態の自分たちの幼虫を食べて生き延びる。乾いた土地にたどり着けばすぐ新しい巣を作り、元の雑食性の習性に戻る。卵からほかの昆虫、哺乳類の肉、種、ミミズや捨てられたお菓子まで、さまざま食べる。

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グーグルで「ヒアリ」を検索する人は結果として、駆除方法についても調べる可能性が高い。なので、その重要情報を紹介しよう。水の上の彼らに洗剤をかけるのだ。そうすると表面張力が失われ、彼らは溺れてしまう。

ヒアリは南米原産で、20世紀前半に米国にやって来たのは偶然の産物だった。ヒアリはオーストラリアやニュージーランド、中国、香港、台湾、フィリピンなどにも存在する。

ヒアリはほかのアリを駆逐し、家畜など動物たちにも害を及ぼす。また巣や土手を作るので建物や舗装が損傷する原因にもなる。

(英語記事 Floating fire ants form rafts in Houston floodwaters

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