北朝鮮「火星15」ミサイルの映像・写真から分かること

This photo taken on 29 November 2017 and released on November 30, 2017 by North Korea's official Korean Central News Agency (KCNA) shows launching of the Hwasong-15 missile which is capable of reaching all parts of the US. Image copyright AFP/KCNA

北朝鮮は30日、前日の「火星15」発射の様子だという映像や写真を公表した。超大型の核弾頭が搭載可能で米国本土のどこでも到達可能だと北朝鮮は主張するが、実際のところは不明だ。公表された映像や写真に、何か手がかりはあるのだろうか。

ミサイルは巨大

ミサイルの大きさに大勢が驚いている。国営・朝鮮中央通信(KCNA)が配信した撮影日時不明のこの写真は、ミサイルを視察する最高指導者・金正恩氏の様子だが、その姿と対比するとミサイルがいかに大きいかが分かる。

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モントレー国際問題研究所・核不拡散研究センターの研究者、マイケル・ドイツマン氏は、このミサイルが以前の「火星14」よりはるかに大きいと指摘。「これほど大きいミサイルを作れる国はごくわずかだ。北朝鮮もたった今、その仲間入りをしたというわけだ」と書いた。

方向制御や姿勢制御の装置も、今までより高度なものが使われているようだと指摘する人たちもいる。

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米国を拠点とする「憂慮する科学者同盟」のデイビッド・ライト氏はロイター通信に、「最新で高性能なミサイル」は、主要エンジンを2つ備えて推進力が強化されたようで、今までより2倍以上の推進剤が搭載可能に見えると話した。

先端部分は前より大きく丸まっているため、北朝鮮が主張するような「超大型重量級の核弾頭」が搭載できる可能性もある。

こうしたことはいずれも、このミサイルは核弾頭を長距離運び、大気圏再突入にも耐えうる可能性があることを示している。北朝鮮は、「火星15」は実用可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)だと主張している。

公開された動画や写真から、ミサイルが発射台から打ち上げられた様子が分かる。以前のミサイル発射実験で使われた移動式発射台とは異なるもので、片側9輪の大型移動式発射台で発射地点まで運ばれていた。

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新型ミサイルの大きさのため、この新しい車両が必要になったと専門家たちはみている。今までより発射に時間がかかるという見方だ。

北朝鮮アナリストのスコット・ラフォイ氏は、即応が必要な場合、「これは危機の最中で大きな違いをもたらす」と指摘する。

29日午前3時過ぎの発射だったため、打ち上げ写真の背景は星空だ。人工照明によるいわゆる「光害」がないのは、意外ではないかもしれない。

たばこで祝福

満面の笑みで発射を喜ぶ金正恩氏の様子が、数々の写真に写っている。おそらくリアルタイムでミサイルを追跡している背景の画面から、ミサイルの鋭角な打ち上げ角度が分かる。

ミサイルは高度4475キロに到達したとされる。これは北朝鮮のミサイルとして最高記録だ。

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金氏と側近たちは、ただちに打ち上げをたばこで祝ったようだ。

発射台と視察台の間の距離は不明だが、金氏はロケット燃料を積み込んだミサイルの近くでたばこを吸っていた可能性もある。たとえばこの7月の映像では、「火星14」の真横でたばこを吸っている様子が見える。

(英語記事 What North Korean Hwasong-15 missile launch pictures tell us

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