子供たちは「拷問の被害者」 13人監禁で米加州警察

リバーサイド郡保安官事務所のグレッグ・フェローズ所長
Image caption リバーサイド郡保安官事務所のグレッグ・フェローズ所長

米カリフォルニア南部ぺリスで、2歳から29歳のきょうだい13人を自宅に監禁していたとして両親が逮捕された事件で、警察は子供たちについて、拷問の被害者だと述べた。

リバーサイド郡保安官事務所によると、警察がロサンゼルスから南西に95キロ離れた住宅に子供たちを救出しに来た際、逮捕された母親のルイーズ・アナ・ターピン容疑者(49)は「混乱していた」という。

警察によると、父親のデイビッド・アレン・ターピン容疑者(57)とルイーズ容疑者に前科はなかった。

この事件は14日、監禁されていた13人の子供のうち、17歳の少女が自宅の窓から脱出し、警察に通報したことで明らかになった。

17歳の少女は衰弱があまりに激しく、当初は10歳程度にしか見えなかった。警察によると、この少女が回線が停止していた携帯電話から緊急電話番号の911番に通報したという。

少女は警察官たちに自宅の状況を写真で説明した。

リバーサイド郡保安官事務所のグレッグ・フェローズ所長は16日の記者会見で、警察が住宅を強制捜査した際、13人のうち3人が鎖で拘束されていたと述べた。

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Image caption デイビッド・アレン・ターピン容疑者とルイーズ容疑者

「何人かの警察官は住宅内にひどい汚臭が漂っていたと指摘した」とした。

また「中はとても汚れていて、以前発表したように、多くの子供たちが栄養失調に陥っていた」と加えた。

逮捕された両容疑者には、拷問と子供を危険にさらした疑いがかけられている。保釈金はそれぞれ900万ドル(約9億9000万円)。

拷問の疑いについてフェローズ所長は「17歳の子供が10歳のように見え、ベッドに鎖でつながれたり栄養失調に陥って、負傷もしていたことを想像してほしい。私はそれを拷問と呼ぶ」と説明した。

またこれまで性的暴行や精神疾患があったと示す証拠は出ていないものの、事情聴取はまだ始まったばかりだと付け加えた。

記者団に対し「聴取の内容について詳しく言えないが、なぜ我々が自宅に来たのか、母親は混乱しているようだった」とした。

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Image caption 両容疑者のフェイスブックには数々の家族写真が投稿されていた

ターピン家は2014年からこの住宅に住んでいて、子供たちは自宅で教育を受けていたとみられる。

カリフォルニア州教育局の登記簿には、住宅は「サンドキャッスル・デイスクール」として登録され、デイビッド容疑者はその校長と記載されていた。さらに、無宗教の男女共学で、生徒は6人と書かれてあった。

救出された13人のきょうだいは全員、地元の病院で手当てを受けている。

コロナ地域医療センターのマーク・アッファー最高経営責任者(CEO)は13人のうち成人の7人について「栄養失調に陥っていたのは明白だ」とした。

「非常に友好的かつ協力的だ。この出来事の後、きっと人生が好転すると彼らは期待している」と述べた。

2011年に両容疑者が破産申請をした際の弁護士だったアイバン・トラハーン氏は米紙ロサンゼルス・タイムズに対し、デイビッド容疑者は米防衛大手のノースロップ・グラマンでエンジニアとして働き、高収入を得ていたと話した。

ロサンゼルス・タイムズによると、デイビッド容疑者は2011年に14万ドル(約1500万円)以上の収入があったものの、大家族の出費がそれを上回り、毎月1000ドル(約11万000円)以上の赤字だったという。

事件に動揺している近所の住民は、往来でターピン家をほとんど見かけず、近隣住民と話すことは一切なかったという。

近所に住むキンバリー・ミリガンさんは「なんで子供の姿がまったく見えないんだろう?」と疑問に思ったという。

「こんなことになっているなんて想像できなかったけれど、今になってみれば、危険信号はあった。子供9人の声も聞こえないし、姿も見ないんだから」

Image caption ターピン一家が住んでいた家

子供たちの祖父母は4、5年間一家と会っていなかったという。

祖父母(デイビッド容疑者の父母)のジェームズ・ターピンさんとベティ・ターピンさんは米ABCニュースの取材に対して、一家は地域では良いキリスト教徒とみなされており「神の命」により多くの子供を生んだと答えている。

一家のフェイスブックには、一見幸せそうに笑顔で映る多くの写真やビデオが投稿されている。多くの投稿には家族や友人からのコメントが付けられている。

夫婦は最近数年間で結婚の誓いを何度も更新していたようで、大抵は子供たちも同席していた。

YouTubeに投稿された夫婦が映るビデオは、ラスベガスのエルビス・チャペルで撮影されている。

エルビス・プレスリーに扮した司会者に続き、デイビッド容疑者は「愛の証としてこの指輪を捧げるよ、ベイビー、ベイビー」と妻に伝えている。

子供たちは物まねに笑い声を上げながら、父母がキスをすると拍手をしていた。

(英語記事 Turpin case: Shackled California siblings 'victims of torture'

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